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クラウンがマネジメントを変える!

先日,実践型社会起業家の講師としてお招きする村上純子さん(緊急クラウンジャポン)が主催するワークショップ「ドクタークラウンになる!?」に参加してきました.

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講師の村上純子さんとシグリッド・ラシャペルさん

振り返ってみると,このワークショップは素人が好奇心程度に「クラウンって何?」ということを知るためのワークショップではないように思います.ワークショップのタイトルに「!?」マークはついていますが,あくまでも「クラウンになる」というワークショップでした.期間も4日間 計28時間というそれなりに長い設定です.クラウンや演劇について全く素人の私にとっては,参加するにもちょっと勇気が必要なチャレンジングなワークショップでした.

私自身は大まじめにクラウンの背景にある考え方や価値観,ノウハウが組織のマネジメントに役立つのではないか,それどころか組織マネジメントを変えるのではないかと考えています(村上さんには「そんなこと考えるなんてまじめだなぁ」と笑われましたが,職業なもので・・・).人と関わることを思いっきり楽しむこと,仕事をしながら思いっきり笑うこと,子供のような遊び心と好奇心を満載にして生きること,こういったことは多くの仕事の現場で欠けているのではないかとずっと思っていました.

人のモチベーションは気分や情動に大きく影響されます.しかし,私たちはその気分や情動になかなか効果的な対応を知らないのが現実ではないでしょうか.気持ちの奥底には相手への優しい想いがあったとしてもなかなか表現できない,場の気まずい空気を感じていてもそれをどう変えていいのかわからない,そういうことはよくあることです.

特にソーシャルベンチャーのようなお金や特定個人の強いリーダーシップだけで動かせないような組織では,「楽しい!」ということが参加者の気分や情動をポジティブなものに変え,参加者を引きつけ続ける大きな要因になりえます.したがって「楽しいを沢山作れること」がマネジメント上の大変重要な要因にもなるわけです.

ではどうしたら皆を楽しませることが出来るのでしょうか.クラウン流の答えは「自分が思いっきり楽しむこと」です.講師のシグリッドさんは「クラウンは思いやりのあるエゴイストであり,一番自分が楽しんでいるからそれを見ている観客も楽しくなる」とおっしゃっていました.そしてそれは決して人を笑わせようとして何か特別なことをすることではありません.シグリッドさん曰く「自分をクラウンとして提示しようとする必要はない.自分につながればよい.クラウンは自分につながれば出てくるもの」なのだそうです.

クラウンは日本語では「道化」と訳されます.皆の笑い者です.しかし,私は今回のワークショップを受けてクラウンの持つ奥深さに驚かされました.

シグリッドさんの次のお話が心に深く残っています.「階層社会の頂点というものがあるならば,その頂点の正反対を目指しているのがクラウン.クラウンは,誰もが持っている人間としての一部分であるバカバカしさ,ダメな部分,そういったものを自分の中に認めて透明に表現する.その時,観客はクラウンに優越感を感じる.しかし,クラウンが透明に自己を表現する時,観客はそのクラウンの世界に引き込まれ魅了されクラウンを愛さずにいられない.実は頂点から最も離れたところにいるクラウンが優越感に浸る観客の心の手綱をにぎっている.クラウンほどの大きな権力と自由はない」(言葉は少々私の記憶違いもあるかもしれませんが大意はこのようなことをおっしゃていたと思います).

だからこそなのでしょう,今回のワークショップで講師のお二人はクラウンの目的を「笑わせることではない」と明確に言い切ります.「笑わせようとしたら人は笑わない.自分が透明になること.そうすると相手はその中に入らざるをえない.一番ベースになるのは透明でなにもない自分自身.自分の呼吸.自分のエモーション」.透明な,自分自身の最も奥深くにあるスピリッツを分かち合うことがクラウンという存在の働きであり,クラウンの表現方法なのだろうかと感じました.ドラムサークルの師匠であるアーサー・ハルさんのメッセージ“Share your spirit”と驚くほど共通するものを感じます.

村上さんとシグリッドさんの師匠であるジャック・ルコックによればクラウンは「赤い鼻」という仮面をつける「世界一小さな仮面劇」なのだそうです.不思議なことですが,今回のワークショップを受けてみた後は,普段の自分の方が実は沢山の仮面をつけていて,クラウンとして自分を解放している時の方がずっと自分らしく思えたりもしました.

村上さんのワークショップは来月,実践型社会起業家論の授業でも3時間というとてもとても短い時間ではありますが開催いたします.受講される皆さんお楽しみに♪ 全員分の赤い鼻が用意されます.ビジネススクールでこんな授業めったに受けられませんよ!

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