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死生学

先日、6月20日にNHKのニュース番組「ニュースウォッチ9」に関西学院大学の藤井美和先生が御出演になり、「死生学」に関する授業の様子が放映されました。死生学に関して私は全く知らなかったのですが、個人の死と死生観に関する学問ということでした。藤井先生は死を含めて生を考えること、そして生と死にまつわる様々な問題について私たち人間がどのように考え関わっていくかについてご関心を持たれているとホームページに書いていらっしゃいました。番組を見てすぐにこの死生学が持つ経営教育に対する重要性を直観しました。ひとつはキャリア教育に対する重要性です。ビジネスを中心とするキャリア教育では死というテーマはほとんど扱われていませんが、私たちは実際に同僚の訃報に接するといった経験をしながら、自分自身にもいつかそのような 時が訪れることを知っています。その時の視点から今を考え、仕事を考え、キャリアを考えることの重要性は非常に高いと言えます。また、リーダー教育に対する重要性もあります。リーダー自身が自分もやがて必ず死を迎えるという視点から、そもそも何のために頑張るのか、何のために仕事をするのか、という価値観の部分を深く理解できるかどうかは、より一般的な人間理解の深まりに対しても直結するものと考えられます。そして人間理解の深まりは当然のことながらリーダーシップの深まりにもつながるはずです。現代社会は死をタブー視すると言われていますが、そのことには少なからぬ弊害もあるのではないでしょうか。法的な視点から見ても死者には財産に対する所有権がありません。私たちは死によってすべてを手放すことになります。その視点に立つ時にくっきりと見えてくる大切なことはたくさんあると思います。不祥事の多い昨今の経営状況を見ていると、人間にとって本当に大切なものを見つめ直す機会の必要性を感じずにはおれません。死生学の重要性は今後ますます高まっていくと思います。

地域活性化の意味

先日、5月27日、慶應義塾大学SFC研究所プラットフォームデザインラボが主催する2008年第1回研究会が「地域活性化と人材育成」をテーマとして行われました。

私もパネリストとして参加させて頂き、慶応大学の國領先生、飯盛先生、九州大学の星野先生、北陸先端科学技術大学院大学の小林先生、そして会場の皆様方とディスカッションさせて頂きながら色々な学びを頂きました。

会場の皆様から色々なご質問を頂いた中の一つに「地域活性化とは何ですか?」という質問がありました。

私は、このご質問に次のように答えさせて頂きました。

「地域活性化という言葉には化という語が含まれています。化というのは、変化をあらわす言葉であり、ある状態からある状態への変化をあらわします。したがって地域活性化というのは、特定の状態を指すのではなく、地域の現状をよりよいものへと変化させようとする動きや流れを指す言葉です。それぞれの地域によって現状と課題は異なっていますから、地域の数だけ地域活性化のあり方があると言うことが出来ます。そして本来的に地域活性化を担うのはその地域の人々であり、その地域の人々の視点や想いがその地域における活性化の方向を決めていくのだと思います」。

この答えは結局、このご質問頂いた方ご自身に「あなたの地域における地域活性化をあなたはどう考えますか?」という問いかけを含んだ内容だったかもしれません。

私自身は、地域活性化という用語を定義すること自体には特に大きな意味があると思っていません。

どのような地域でありたいか、どうしたら地域をよりよくしていけるか、そのことを考え、行動していけることに意味と面白さがあるのだと思います。

今回のプラットフォームデザインラボでは、多くの方とお会いし、皆さんの考えや行動をご紹介いただき、本当にいい刺激とエネルギーを頂きました。

ありがとうございました!

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(研究会開始前の様子)

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