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ドラムサークルとAI

昨年度に開講した実践型社会起業家論ですが,その時の学び,特にSVP東京に関する伊藤健さんの講演を一つの起点として,今,四国に社会起業家支援のための新しい仕組み作りをはじめています.今日はその仕組みづくりの途中の様子を少し紹介したいと思います.

8月8日(土)朝9時,香川大学の体育館にいくつものドラムの音が鳴り響きました.ドラムを打ち鳴らしているのは,経営者や行政マン,NPO理事,MBA学生,大学教員といった多彩な顔ぶれで共に四国に社会起業家支援のための新しい仕組みと組織作りを模索する仲間達です.

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輪になってドラムやベルなどを打ち鳴らすドラムサークルを通じて,一人ひとりが自律的に情報を受発信しながら,同時に全体としても1つとなって美しいアンサンブルを創造する事を学びます.持続的に社会貢献とビジネスを両立させていこうとする社会起業家の方々の多くは,単に上意下達によって動く組織ではなく,個人の自律と全体の協調のバランスがとれた志やヴィジョンによって駆動する組織づくりを目指しています.もちろん我々自身もそのような組織づくりを目指しています.また,我々の社会起業家支援の一環として,将来そのような組織づくりに関するノウハウも提供したいと考え,自分達の活動にドラムサークルを取り入れています.

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ドラムサークルが美しいアンサンブルを生み出すためには,一人ひとりが全体の音色をよく聴き,その上で自らを表現していく必要があります.このようにドラムサークルでは個と全体の協働が重要な要因となるため,美しい響きを追求する過程の中で体験的に自律と協調のバランスを学ぶことが出来るのです.

同日の午後からは大学内の教室に場所を変えてさらに学びと分かち合いの時間を持ちました.ここではAI(アプリシエイティブ・インクワイアリ:肯定的探求)という組織開発の手法を用いて場を進行しました.アプリシエイティブ・インクワイアリとは,個人の持つポジティブなストーリー(人生や仕事の経験)に焦点をあて,個人の強みから創造的な未来を描き,それをベースに組織全体の共通の夢を描いていく新しい組織開発のアプローチです.参加者は2人1組となって,お互いの仕事経験や未来に実現したい夢についてのインタビューを行い,その内容をメンバー全員にシェアします.参加者からは次々と熱い想いが語られ,黒板がびっしりと埋め尽くされました.

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「現場で大変な思いをしている社会起業家の方々を元気にする栄養ドリンクになりたい」,「産官学のネットワークを活かして地域活性化の新しい流れを創造しよう」,「四国に社会起業家に心から称賛を送れるような場や文化を作りたい」.こうした想いの一つひとつがやがて共通のヴィジョン,共通の夢としてまとめあげられた頃,すでに時刻は夜の11時近くになっていました.

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自律と協調のバランス,個人の夢と全体のヴィジョンの共振,こうしたことはなかなか机上では学ぶ事が難しいものです.しかし,肯定的な内省と対話,時にはドラムサークルやAIなどを用いたアプローチを通じて,私たちは体験的に学びを深めながら,個人としても全体としても成長する事が出来るのだと感じています.私たちの社会起業家支援のための新しい仕組み作りはまだはじまったばかりですが,こうした学びと成長と共に,着実に前進を続けていきたいと思います.

ドラムサークル用の楽器到着!

ついに購入しました.ドラムサークル用の楽器50人分!

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↑これはまだ全体の一部です.

楽器の選択はこの道の第一人者であり,私のドラムサークルの師匠でもある佐々木薫さんにお忙しいところ無理を言ってお願いしました.今回の楽器の選択は,参加者の方々が自分の個性を音を通じてのサークルの中で表現し,重ね合わせていく上で,とてもバランスのとれたものになっているのだと思います.どんな楽器かと言いますと,ジャンベ,ジュンジュン,トゥバーノ,ボンゴ,タブラッカ,フレームドラム,サーフドラム,スプリングドラム,ゴンゴンベル,ルンバベル,クラーベブロック,ツートーンブロック,スーパーギロ,シェイカー等々・・・.このホームページの読者の方々にはあまり馴染みのない名前かもしれません.

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↑これもみんな楽器です.

実は私にとってもほとんどの楽器の名前ははじめて,あるいは最近聞いたものばかりで,納品されてから楽器の名前と顔が一致したものも少なくありませんでした.調べてみるとこれらはアフリカやトルコ,インドネシア,アメリカなど世界の様々な国々から来た楽器達でした.

楽器購入に際して佐々木さんからは「これでもう昔のあなたには戻れませんねぇ〜〜〜〜〜」という有り難い(!?)お言葉を頂戴しました.確かにこれだけの楽器があると少なくとも研究室のスペースはもう昔の状態には戻れそうもありません.

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↑研究室はかなりぎゅうぎゅうで収納に悩みます.

それにしても色々な楽器を叩いたり振ったりするのはとても楽しくてついつい時間を忘れてしまいます.

さて,これらの楽器で何をするのかと言いますと,もちろん実践型社会起業家論をはじめとする授業等でドラムサークルをする時に使います.どんな授業になるか今からとても楽しみです♪

佐々木薫さんありがとうございました!そして私どもの実践型社会起業家論の開講に助成を頂いております日本財団様に心から感謝いたします.

扉をたたく人

恵比寿,吉祥寺,横浜などで順次公開が始まっている映画「太鼓をたたく人」.

ではなくて「扉をたたく人」.

まだ見ていませんが,面白そうです.

ドラムサークル仲間の皆さんをはじめ,すでにいろいろな感想がアップされているとのこと.

The Visitor

高松でも公開されますように.

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ドラムサークル・ファシリテーター研修

アーサー・ハルさんによるドラムサークル・ファシリテーター研修に参加してきました.

この研修に参加したきっかけはもちろん同研修の主催者である佐々木薫さんとの出会いです.

佐々木薫さんには今年我々のクラスで実際にドラムサークルのファシリテートをして頂き,その後も多くのことを教えてもらっています.

そして今回,ドラムサークルの父と呼ばれるアーサー本人によるワークショップに参加出来たことは,私にとってとても幸運なことでした.

それはアーサーによるドラムサークルが,当初私が期待していた以上のものだったからです.

それは,コミュニティに新しい可能性をもたらすものであると同時に,

個人にとって協働的な生き方や自分らしいあり方を学ぶことが出来る高度に洗練されたものでした.

アーサーのメッセージ「Share your spirit」という言葉が,まさにドラムサークルの精神を示しているのだと思います.





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こんな形でもアーサーはSpiritをShareしてくれました.

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ワークショップは常に真剣そのものでした.



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ワークショップでは皆で輪を作ります.

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屋外でも輪を作ります.

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輪を作ることは簡単なのに,輪の中に入ってファシリテートすることは想像以上に難しいものでした.



今回の研修では,アーサーをはじめ沢山の方と出会えたこと,沢山の学びを頂いたことに心から感謝します.

そして場作りをしてくださった佐々木薫さんと他の方達にも本当に感謝です.

ありがとうございました!

是非またお会いしましょう.

ドラムサークル in 香川大学 3月22日結果報告

3月22日(日)に実践型社会起業家論 の特別プログラムとして,ドラムサークルを実施しました.ファシリテーターにはドラム・サークル・ファシリテートの第一人者でいらっしゃるDRUMAGIK佐々木薫さんをお招きして実施することが出来ました.

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<佐々木薫さん>

ほとんどの方がドラムサークルは初体験というメンバー構成でしたが,佐々木さんの素晴らしいファシリテートのおかげでそれぞれがとても楽しんで深い体験をすることが出来ました.感想を聞かせてくれた受講生の方々がそれぞれ目を輝かせいるのが印象的でした.

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私自身は今回の授業の狙いを,受講生と共に非言語的なコミュニケーションを通じて体感的な協働感覚を分かち合うことにおいていたのですが,そのような狙い自体を言語的に説明しなくても,状態として協働する感覚が自然に起こっていくところがドラムサークルの魅力だと思いました.

非言語的なコミュニケーションには様々な可能性がありますが,可能性の一部はメッセージを同時並行的かつ抽象的にやりとりできる効率性から生じます.言語的なコミュニケーションの場合,発信者と受信者の役割に順番がなければ伝達が困難であり,発信→受信→発信→受信・・・といった具合に直列的にコミュニケーションが進行せざるをえないのですが,非言語的なコミュニケーションではメッセージの並列処理が可能です.ドラムサークルのような楽器を使ったコミュニケーションの場合,音色やリズム,音の大きさ,振動など様々な要素によって抽象度の高い情報を膨大に並列処理していくことになります.抽象度の高い情報は潜在的に多くの情報を含みますし,しかもそれを短時間で膨大にやりとりできるので,結果的に私たちが同時に自己開示を行い,深い一体感を感じることも可能になるのです.また言語的なコミュニケーションでは発言の主導権を取ることが苦手な人もいますが,ドラムサークルではそうした主導権争いをすることなく誰でも容易に自己開示することが出来るため,場が持っている多様性を活かすという可能性も高まります.

したがって地域コミュニティを開発するための人的な環境整備としてドラムサークルを導入すれば,非言語的なコミュニケーションを積極的かつ膨大に行えるため,気がついたら地域の人々が互いを他人とは思えない位に身近に感じられるようになるといったことも容易に実現する可能性があります.

地域活性化にドラムサークルを活用するという考え方はまだほとんど浸透していないようですが,私自身は社会起業家教育の場で今後も積極的に活用していきたいと思いました.

佐々木さんには素晴らしいファシリテーションをして頂き,沢山の学びと気づきを頂きました.ありがとうございました!!!

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ドラムサークル in 香川大学

ドラムサークルを実施します♪

実践型社会起業家論 の特別プログラムとして,3月22日 香川大学の経済学部側 第2体育館にて,13時から16時です.

ファシリテーターには,ドラムサークルの第一人者でいらっしゃる佐々木薫さんをお招きします.

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<佐々木薫さん>

佐々木さんはDRUMAGIKを主催され,ユニークなドラムサークルを各地で沢山開催されている方です.

このプログラムは一般の方にもオープンにしています.もちろん実践型社会起業家論 を受講していない方でもOKです.ご興味のある方にはまだ席に若干の余裕がありますので是非ご参加のお申し込みをいただければと思います.

お申し込みはこちらまで.お名前と連絡先,参加の動機を一言添えてお申し込みください(FM香川で丸朋子さんにもご紹介いただいたおかげもあって,既に残席は少ないので,一杯になってしまった場合,お断りすることもありますことを予めご了解ください).

参加費は楽器レンタル代と送料の実費としてお一人2000円です.

ところで「ドラムサークルって何それ?」という方も少なくないかもしれませんので少しご説明します.ドラムサークルとは,みんなでドラムなどの打楽器を持ち寄って輪になり,それらの楽器を打ち鳴らして互いに響き合わせながら セッションをすることです.

ちなみにかつて小学校時代の通信簿で音楽「2」というなかなか得難い評価を得た八木も堂々と参加しますので,基本的に音楽に関する難しい知識や経験はこの際無くても大丈夫であることは保証します.音楽「2」でも,多分「1」でも十分楽しめると思います.

私が生まれてはじめてドラムサークルを生で見たのは,数年前,超リベラルな校風で知られるUC Berlelyのキャンパスにおいてでした.夕方頃どこからともなくなんとなく(失礼ながら)小汚い感じに見える男達が4人くらい集ってきて,大きなバケツみたいなものやドラム缶みたいなものを叩き始めたのです.はじめは「???」と思いましたが,すぐにそれが最高にかっこいいものに対する「!!!」に変わったのです.その時の感じを言葉で伝えることは極めて難しいのですが,youtubeにそんなドラムサークルの雰囲気を伝える作品があったので紹介します.


<Conor Oberst and the Mystic Valley Band!!!>

次に「何で 実践型社会起業家論の授業の一環としてドラムサークルするの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんので,理由をご説明いたします.

私たちは実践型社会起業家論 の授業の中で社会起業家は共感によって協働の輪を拡げていくというお話を講師の方々から何度も学ばせていただきました.今回の企画は,一言で言えば「それじゃあその共感とやらを,ドラムを使って体感的にやってみよう!」という単純明快な発想です.

通常,私たちが共感しあうという状況を考えてみると,意外にもそれが少ないことに気がつきます.それがビジネスの場であれば尚更ではないでしょうか.

これには様々な理由が考えられますが,その1つとして私たちはコミュニケーションの大部分を言語的な側面に依存していることの影響があると思います.何故それが共感にマイナスに作用するかと言えば,共感の前提として我々は相互理解感(ここではあえて相互理解ではなく,より抽象度の高い相互理解感という言葉を使っておきます)を必要としますが,言語的なやりとりから相互理解感を持つ為に必要とされる情報量は相当多くならざるを得ないはずだからです.その人がどんな人かを言語に置き換える作業だけでも膨大であり,しかも伝達の過程では多くのノイズ(誤解)が入り,そうした伝達のズレを修正する為にさらに多くのやりとりを繰り返す必要があります.さらに言えば,どんなに言葉に尽くしても言語化出来ない部分が少なからず残ります.

このような制約があるため,我々は大抵の場合,便宜的な理由から表面的な相互理解感で済ませているというわけです.しかし,人間は実は他者理解のための情報収集を言語だけに頼るわけではありません.非言語的な情報も多く収集・活用し,経験に裏打ちされた直感を用いて他者を理解しています.短時間で相互理解感を深めるために,積極的に非言語的な情報を多くやりとりするということの可能性は決して少なくないと考えられます.そもそも人間にとって共感し合うということは、言葉を使って行われるとは限りません.非言語的なレベルでも私たちは深く共感し合うことが出来ます.進化の過程を考えると言葉を獲得する以前から非言語レベルのコミュニケーションを私たちは行ってきました.言葉以前の感覚を研ぎ澄まし,深くエネルギッシュな共感を皆で分かち合うことはコミュニケーションの原型であり,共感を深める為にとても大きな学びになると思います.

(単純明快な説明から大分長くなりましたが)そのようなわけで,ドラムサークルとは,非言語的なコミュニケーションを通じて共感し合おう,響き合おうというプログラムなのです.響き合う人間楽器になりきりましょう♪

実は,八木はドラムサークルに既にはまっておりまして,既にマイドラムを2つも持っています.

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<いい音がする八木研究室のマイ・ドラム君達>

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<お友達でドラマーでもあるWilliamsさんと先日、峰山公園でドラムサークルしてきました♪>

そんなわけで、皆さんとのドラムサークルを今から楽しみにしています!

(それにしても今日はブログ書いたなぁ。。。ふぅ)

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