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ドラムサークル in 香川大学 3月22日結果報告

3月22日(日)に実践型社会起業家論 の特別プログラムとして,ドラムサークルを実施しました.ファシリテーターにはドラム・サークル・ファシリテートの第一人者でいらっしゃるDRUMAGIK佐々木薫さんをお招きして実施することが出来ました.

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<佐々木薫さん>

ほとんどの方がドラムサークルは初体験というメンバー構成でしたが,佐々木さんの素晴らしいファシリテートのおかげでそれぞれがとても楽しんで深い体験をすることが出来ました.感想を聞かせてくれた受講生の方々がそれぞれ目を輝かせいるのが印象的でした.

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私自身は今回の授業の狙いを,受講生と共に非言語的なコミュニケーションを通じて体感的な協働感覚を分かち合うことにおいていたのですが,そのような狙い自体を言語的に説明しなくても,状態として協働する感覚が自然に起こっていくところがドラムサークルの魅力だと思いました.

非言語的なコミュニケーションには様々な可能性がありますが,可能性の一部はメッセージを同時並行的かつ抽象的にやりとりできる効率性から生じます.言語的なコミュニケーションの場合,発信者と受信者の役割に順番がなければ伝達が困難であり,発信→受信→発信→受信・・・といった具合に直列的にコミュニケーションが進行せざるをえないのですが,非言語的なコミュニケーションではメッセージの並列処理が可能です.ドラムサークルのような楽器を使ったコミュニケーションの場合,音色やリズム,音の大きさ,振動など様々な要素によって抽象度の高い情報を膨大に並列処理していくことになります.抽象度の高い情報は潜在的に多くの情報を含みますし,しかもそれを短時間で膨大にやりとりできるので,結果的に私たちが同時に自己開示を行い,深い一体感を感じることも可能になるのです.また言語的なコミュニケーションでは発言の主導権を取ることが苦手な人もいますが,ドラムサークルではそうした主導権争いをすることなく誰でも容易に自己開示することが出来るため,場が持っている多様性を活かすという可能性も高まります.

したがって地域コミュニティを開発するための人的な環境整備としてドラムサークルを導入すれば,非言語的なコミュニケーションを積極的かつ膨大に行えるため,気がついたら地域の人々が互いを他人とは思えない位に身近に感じられるようになるといったことも容易に実現する可能性があります.

地域活性化にドラムサークルを活用するという考え方はまだほとんど浸透していないようですが,私自身は社会起業家教育の場で今後も積極的に活用していきたいと思いました.

佐々木さんには素晴らしいファシリテーションをして頂き,沢山の学びと気づきを頂きました.ありがとうございました!!!

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ドラムサークル in 香川大学

ドラムサークルを実施します♪

実践型社会起業家論 の特別プログラムとして,3月22日 香川大学の経済学部側 第2体育館にて,13時から16時です.

ファシリテーターには,ドラムサークルの第一人者でいらっしゃる佐々木薫さんをお招きします.

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<佐々木薫さん>

佐々木さんはDRUMAGIKを主催され,ユニークなドラムサークルを各地で沢山開催されている方です.

このプログラムは一般の方にもオープンにしています.もちろん実践型社会起業家論 を受講していない方でもOKです.ご興味のある方にはまだ席に若干の余裕がありますので是非ご参加のお申し込みをいただければと思います.

お申し込みはこちらまで.お名前と連絡先,参加の動機を一言添えてお申し込みください(FM香川で丸朋子さんにもご紹介いただいたおかげもあって,既に残席は少ないので,一杯になってしまった場合,お断りすることもありますことを予めご了解ください).

参加費は楽器レンタル代と送料の実費としてお一人2000円です.

ところで「ドラムサークルって何それ?」という方も少なくないかもしれませんので少しご説明します.ドラムサークルとは,みんなでドラムなどの打楽器を持ち寄って輪になり,それらの楽器を打ち鳴らして互いに響き合わせながら セッションをすることです.

ちなみにかつて小学校時代の通信簿で音楽「2」というなかなか得難い評価を得た八木も堂々と参加しますので,基本的に音楽に関する難しい知識や経験はこの際無くても大丈夫であることは保証します.音楽「2」でも,多分「1」でも十分楽しめると思います.

私が生まれてはじめてドラムサークルを生で見たのは,数年前,超リベラルな校風で知られるUC Berlelyのキャンパスにおいてでした.夕方頃どこからともなくなんとなく(失礼ながら)小汚い感じに見える男達が4人くらい集ってきて,大きなバケツみたいなものやドラム缶みたいなものを叩き始めたのです.はじめは「???」と思いましたが,すぐにそれが最高にかっこいいものに対する「!!!」に変わったのです.その時の感じを言葉で伝えることは極めて難しいのですが,youtubeにそんなドラムサークルの雰囲気を伝える作品があったので紹介します.


<Conor Oberst and the Mystic Valley Band!!!>

次に「何で 実践型社会起業家論の授業の一環としてドラムサークルするの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんので,理由をご説明いたします.

私たちは実践型社会起業家論 の授業の中で社会起業家は共感によって協働の輪を拡げていくというお話を講師の方々から何度も学ばせていただきました.今回の企画は,一言で言えば「それじゃあその共感とやらを,ドラムを使って体感的にやってみよう!」という単純明快な発想です.

通常,私たちが共感しあうという状況を考えてみると,意外にもそれが少ないことに気がつきます.それがビジネスの場であれば尚更ではないでしょうか.

これには様々な理由が考えられますが,その1つとして私たちはコミュニケーションの大部分を言語的な側面に依存していることの影響があると思います.何故それが共感にマイナスに作用するかと言えば,共感の前提として我々は相互理解感(ここではあえて相互理解ではなく,より抽象度の高い相互理解感という言葉を使っておきます)を必要としますが,言語的なやりとりから相互理解感を持つ為に必要とされる情報量は相当多くならざるを得ないはずだからです.その人がどんな人かを言語に置き換える作業だけでも膨大であり,しかも伝達の過程では多くのノイズ(誤解)が入り,そうした伝達のズレを修正する為にさらに多くのやりとりを繰り返す必要があります.さらに言えば,どんなに言葉に尽くしても言語化出来ない部分が少なからず残ります.

このような制約があるため,我々は大抵の場合,便宜的な理由から表面的な相互理解感で済ませているというわけです.しかし,人間は実は他者理解のための情報収集を言語だけに頼るわけではありません.非言語的な情報も多く収集・活用し,経験に裏打ちされた直感を用いて他者を理解しています.短時間で相互理解感を深めるために,積極的に非言語的な情報を多くやりとりするということの可能性は決して少なくないと考えられます.そもそも人間にとって共感し合うということは、言葉を使って行われるとは限りません.非言語的なレベルでも私たちは深く共感し合うことが出来ます.進化の過程を考えると言葉を獲得する以前から非言語レベルのコミュニケーションを私たちは行ってきました.言葉以前の感覚を研ぎ澄まし,深くエネルギッシュな共感を皆で分かち合うことはコミュニケーションの原型であり,共感を深める為にとても大きな学びになると思います.

(単純明快な説明から大分長くなりましたが)そのようなわけで,ドラムサークルとは,非言語的なコミュニケーションを通じて共感し合おう,響き合おうというプログラムなのです.響き合う人間楽器になりきりましょう♪

実は,八木はドラムサークルに既にはまっておりまして,既にマイドラムを2つも持っています.

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<いい音がする八木研究室のマイ・ドラム君達>

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<お友達でドラマーでもあるWilliamsさんと先日、峰山公園でドラムサークルしてきました♪>

そんなわけで、皆さんとのドラムサークルを今から楽しみにしています!

(それにしても今日はブログ書いたなぁ。。。ふぅ)

ビジネスプラン発表会

振り返ってみると本当にあっという間でした.もう先月の22日のことなのですが,おかげさまで無事に実践型社会起業論のビジネスプラン発表会を行うことができました.(ブログをもっと早く更新しなければと思いつつ,生来のなまけぐせでついつい遅くなってしまいました.順番はかなり後先しますが,それ以前の授業の様子なども私自身の為の記録用という意味も含め,今後追いかけてアップしていきたいと思います.)

今回のビジネスプラン発表会は,地域の問題解決や未来のよりよいビジョンを実現するようなアイデアを練り,多くの人から共感を得られる形でプレゼンテーションすることを課題として行われました.

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受講生は単独で,あるいはグループでこうした課題に取り組み,当日は12組もの発表がありました.

テーマの一例を紹介すると,障がい者の経済的自立,農産物地域間交流販売,瀬戸内の多島美を活かしたビジネス,節水推進,犯罪被害者遺族の支援,プロアスリートの人生を応援,高松玉藻城築城,さぬき弁の伝承,などなどです.

今回,審査員は,伊藤健さん(ソーシャルベンチャーパートナーズ東京 ディレクター),濱田厚史さん(香川県商工労働部長),古川康造さん(丸亀町商店街振興組合理事長)にご協力を頂き,加えて八木も務めさせていただきました.審査員はそれぞれ自分でこだわって選んだ賞品を発表者の皆さんのために準備して持ち寄りました.

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<賞品の一部,ペンギンと丸い亀さんのぬいぐるみ,社会起業家の本>

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<さらに景品のネクタイ(左端)は「うどんネクタイ」,ペンギンがしているのは「オリーブスカーフ(右端)」>

発表では面白くて素晴らしいアイデアが多く ,「どれを選ぶべきか???」と審査プロセスはうれしくも悩ましいものでした.

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<悩ましかった審査中の一コマ >

最終的に伊藤さんは「瀬戸内の多島美を活かしたビジネス(関直樹さん他)」と「地方から全国へ,ずっと愛される国民歌を.ひろがれクリエイターの輪『トコミュージック』(小野智子さん)」,濱田さんは「高知県林業振興プロジェクト〜豊かな森を守り,住民生活を支える仕組みづくり〜(有光郷司さん他)」,古川さんは「飯友の輪(河端章宏さん)」,八木は「犯罪被害者遺族の支援(清水広志さん他)」をそれぞれ受賞プランとして表彰しました.

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<発表タイトル「飯友の輪」で古川さんから「丸い亀さん賞」を受賞された河端さん>

それぞれのアイデアは,ユニークさ,ビジネスプランとしての構図,社会や地域の問題に対するインパクト,など様々な点ですばらしいものでした.受賞者の皆さん,おめでとうございました!!!そして発表してくれた全受講生の皆さん,お疲れさまでした.

これらのプランの中にはすでに進行中のものもあります.今後の発展をさらに期待し,応援したいと思います.

なお,当日の様子は,翌日の瀬戸内海放送のお昼と夕方のニュースでも放映されたそうです(残念ながら私は見れませんでした).

また,近く香川経済レポートにも掲載される予定ですので,ご興味のある方は是非そちらを読んでみてください.

授章式の後、ソーシャルベンチャーパートナーズ東京のディレクターを務める伊藤健さんから起業家支援の取組みに関する講義も頂きました。ソーシャルベンチャーパートナーズの取組みを四国でも実現できれば地域活性化に対して重要な取組みなると考えています。この内容についてはページを改めてご紹介いたします。

ファミリービジネス学会

昨年、設立されたファミリービジネス学会の公式サイトができました。

ファミリービジネス(同族企業)の研究は、日本ではまだ十分な注目を集めていませんが、90年代以降、欧米を中心に盛り上がってきています。

実は経済的なパフォーマンスが非ファミリービジネスに比べて高い傾向であったことや、コアとなる価値観やミッションを大切にして長期的に反映している企業が多いことなど、その存在意義が見直されています。

また実際問題として、日本企業の多くはファミリービジネスであるということもあり、ファミリービジネス特有の経営課題に対して日本でもきちんとした研究成果が求められています。

最近、八木はブログで社会起業家のことばかりを書いていますが、八木の主たる研究領域は本来リーダーシップであり、特にファミリービジネスにおけるリーダーシップを研究しております。

ファミリービジネス研究やファミリービジネスの経営問題にご関心のある方とは研究者・実務家を問わず活発に情報交換をしていきたいと思っておりますので、お気軽にご連絡ください。

またよろしければ同学会にも是非ご入会ください。

※同学会ホームページの入会フォームがまだ未整備のようですので、整備されるまでの期間であれば八木宛にお申し込み頂ければ学会の事務局におつなぎいたします。

ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ四国をつくろう!

先日,2月22日の実践型社会起業家論 にて,ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ東京(以下,SVP東京)のディレクターを務められている伊藤健さんにご講演をしていただきました.演題は「社会イノベーションの源泉としての社会起業とそれを支える仕組み—SVP東京の挑戦—」です.

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<伊藤健さん>

伊藤さんは,現在,NPO法人ISLの社会イノベーションセンター統括ディレクターとして,社会イノベーションのためのイニシアチブを推進する傍ら,SVP東京のディレクターとしてソーシャルベンチャーの育成・支援に携わっていらっしゃいます.

伊藤さんの講演資料から引用しますと, SVP東京の目指すゴールは「社会起業に対する支援と,それを通じたコミュニティの進化」であり,そのミッションは「組合員(パートナー)個人が自らの動機や情熱に基づいて,自らの時間,資金,専門性を通じ,社会的な課題に対し革新的な進歩をもたらそうと試みる事業(ソーシャルベンチャー)に対し支援を行う.また,そのコミットメントから,コミュニティの進化と,それに関わった個人の新しい資質を引き出す」とあります.

そして同資料より,SVP東京の事業内容としては「⑴ビジネスにおけるベンチャーキャピタルのアプローチを採用,または応用し,ソーシャルベンチャー事業を,資金や経営ノウハウ,技術面から支援する事業 ⑵ソーシャルベンチャーに関わる人材育成,ならびに組合員教育事業 ⑶ソーシャルベンチャーに関わる経営手法の進化,研究事業 ⑷ソーシャルベンチャーに関する幅広い情報発信,啓蒙事業」とあります.

SVPの活動は,パートナー一人ひとりが年間10万円を出資して一口100万円の投資(助成)を行う経済的な側面と,パートナーの持つノウハウやネットワークによってソーシャルベンチャーに貢献する非経済的な側面に分けられます.また,ソーシャルベンチャーに対する(経済的および非経済的な)育成支援の側面とパートナー自身の自己実現の側面があり,その活動は全体(社会貢献)と個(自己成長)のバランス良い関係によって推進され,参加する側にとっても魅力的なスキームとなっています.

もともとソーシャルベンチャーパートナーズは,1997年にシアトルで設立された組織で,2001年にはSVPInternationalが設立され,現在では北米に25の加盟組織と1500人のパートナーが所属しています.そして既に100以上の非営利組織に累積20億円以上の投資(助成)をしているそうです.

先にも触れましたが、SVPのユニークな特徴は,単にお金を出すだけではなく,それぞれのパートナーが持つ専門性に応じて,投資先のソーシャルベンチャーに対して運営ノウハウなどの支援も行っていることです.例えば,戦略構築,財務計画・アカウンティング,ファンド・レイジング,組織開発,ガバナンス,情報技術,広報,外部ネットワークの紹介等々の支援があります.このような様々な支援を現場で行うことはSVPの非常にユニークなポイントであり,代表の井上英之さん曰く「自分達はスーパーおせっかいファンド」なのだそうです.

これまでにSVP東京が既に支援を行ってきた,あるいは行う予定のソーシャルベンチャーは7団体あるそうです. それぞれの団体が ⑴社会的なインパクト ⑵革新的で,持続可能なビジネスモデル ⑶外部リソースを引きつけることが可能な共感性 ⑷SVP東京の持つリソースとのマッチング といったSVP東京の投資先選考基準をクリアして助成を受けています.

伊藤さんにそれらの団体の概要を紹介いただいたいのですが,どの団体も素晴らしい活動を行っています.例えば,手話によるろう教育の確立と,ろう文化と聴文化の共生が可能な社会を目指す「バイリンガルろう教育センター」,病児保育の実現により,仕事と育児の両立を支援する「フローレンス」, 国際交流プログラムの実施による日本の地域再生を目指す「ワールド・キャンパス・インターナショナル」,産後ケアの重要性を提唱,セルフケアプログラムを提供する「マドレボニータ」,農業における社会起業を目指す「みやじ豚」等々です.

講演の最後に,伊藤さんは「SVPの仕組みは実は非常にシンプルです. よろしかったら是非,『ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ四国』をつくってみてはいかがですか?」と呼びかけてくださいました.

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<講演の最後に「SVP四国」を呼びかけてくれた伊藤さん>

伊藤さんとはその晩,(いつもの如く)遅くまで飲み明かしましたが, ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ四国をつくるなら喜んで協力してくれると力強い約束をして頂きました♪

伊藤さん,本当に素晴らしい講演ありがとうございました!

そして,四国の皆さん,いかがでしょうか? 是非みんなでSVP四国をつくってみませんか.

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