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ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ四国をつくろう!

先日,2月22日の実践型社会起業家論 にて,ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ東京(以下,SVP東京)のディレクターを務められている伊藤健さんにご講演をしていただきました.演題は「社会イノベーションの源泉としての社会起業とそれを支える仕組み—SVP東京の挑戦—」です.

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<伊藤健さん>

伊藤さんは,現在,NPO法人ISLの社会イノベーションセンター統括ディレクターとして,社会イノベーションのためのイニシアチブを推進する傍ら,SVP東京のディレクターとしてソーシャルベンチャーの育成・支援に携わっていらっしゃいます.

伊藤さんの講演資料から引用しますと, SVP東京の目指すゴールは「社会起業に対する支援と,それを通じたコミュニティの進化」であり,そのミッションは「組合員(パートナー)個人が自らの動機や情熱に基づいて,自らの時間,資金,専門性を通じ,社会的な課題に対し革新的な進歩をもたらそうと試みる事業(ソーシャルベンチャー)に対し支援を行う.また,そのコミットメントから,コミュニティの進化と,それに関わった個人の新しい資質を引き出す」とあります.

そして同資料より,SVP東京の事業内容としては「⑴ビジネスにおけるベンチャーキャピタルのアプローチを採用,または応用し,ソーシャルベンチャー事業を,資金や経営ノウハウ,技術面から支援する事業 ⑵ソーシャルベンチャーに関わる人材育成,ならびに組合員教育事業 ⑶ソーシャルベンチャーに関わる経営手法の進化,研究事業 ⑷ソーシャルベンチャーに関する幅広い情報発信,啓蒙事業」とあります.

SVPの活動は,パートナー一人ひとりが年間10万円を出資して一口100万円の投資(助成)を行う経済的な側面と,パートナーの持つノウハウやネットワークによってソーシャルベンチャーに貢献する非経済的な側面に分けられます.また,ソーシャルベンチャーに対する(経済的および非経済的な)育成支援の側面とパートナー自身の自己実現の側面があり,その活動は全体(社会貢献)と個(自己成長)のバランス良い関係によって推進され,参加する側にとっても魅力的なスキームとなっています.

もともとソーシャルベンチャーパートナーズは,1997年にシアトルで設立された組織で,2001年にはSVPInternationalが設立され,現在では北米に25の加盟組織と1500人のパートナーが所属しています.そして既に100以上の非営利組織に累積20億円以上の投資(助成)をしているそうです.

先にも触れましたが、SVPのユニークな特徴は,単にお金を出すだけではなく,それぞれのパートナーが持つ専門性に応じて,投資先のソーシャルベンチャーに対して運営ノウハウなどの支援も行っていることです.例えば,戦略構築,財務計画・アカウンティング,ファンド・レイジング,組織開発,ガバナンス,情報技術,広報,外部ネットワークの紹介等々の支援があります.このような様々な支援を現場で行うことはSVPの非常にユニークなポイントであり,代表の井上英之さん曰く「自分達はスーパーおせっかいファンド」なのだそうです.

これまでにSVP東京が既に支援を行ってきた,あるいは行う予定のソーシャルベンチャーは7団体あるそうです. それぞれの団体が ⑴社会的なインパクト ⑵革新的で,持続可能なビジネスモデル ⑶外部リソースを引きつけることが可能な共感性 ⑷SVP東京の持つリソースとのマッチング といったSVP東京の投資先選考基準をクリアして助成を受けています.

伊藤さんにそれらの団体の概要を紹介いただいたいのですが,どの団体も素晴らしい活動を行っています.例えば,手話によるろう教育の確立と,ろう文化と聴文化の共生が可能な社会を目指す「バイリンガルろう教育センター」,病児保育の実現により,仕事と育児の両立を支援する「フローレンス」, 国際交流プログラムの実施による日本の地域再生を目指す「ワールド・キャンパス・インターナショナル」,産後ケアの重要性を提唱,セルフケアプログラムを提供する「マドレボニータ」,農業における社会起業を目指す「みやじ豚」等々です.

講演の最後に,伊藤さんは「SVPの仕組みは実は非常にシンプルです. よろしかったら是非,『ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ四国』をつくってみてはいかがですか?」と呼びかけてくださいました.

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<講演の最後に「SVP四国」を呼びかけてくれた伊藤さん>

伊藤さんとはその晩,(いつもの如く)遅くまで飲み明かしましたが, ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ四国をつくるなら喜んで協力してくれると力強い約束をして頂きました♪

伊藤さん,本当に素晴らしい講演ありがとうございました!

そして,四国の皆さん,いかがでしょうか? 是非みんなでSVP四国をつくってみませんか.