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ケース・ウェスタン・リザーブ大学へ

今秋から1年間、香川を離れ、米国オハイオ州クリーブランドに位置するケース・ウェスタン・リザーブ大学(以下、ケース)のビジネススクール(Weatherhead School of Management)にてVisiting Research Scholar(日本語では客員研究員になるのでしょうか)として過ごすことになりました。

 

ケースは日本ではあまり知られていないのですが、アメリカ人科学者として初のノーベル物理学賞を受賞したアルバート・マイケルソンがかつて同大の教授であったり、彼も含めた過去の教員や卒業生に16人ものノーベル賞受賞者がいたりと大変レベルの高い大学のようです。

 

組織行動や組織開発の分野でも世界でトップレベルの研究拠点の1つに数えられています。私が特にケースに行きたかったのは、AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)の開発者として大変著名なDavid Cooperrider教授が教鞭を執られているためでした。

 

これからどのような1年になるのか、今はワクワクする想いと少しの不安が入り交じった気持ちです。またこのブログでもケース滞在記をレポートしたいと思います。

ビジネス専門誌への掲載

最近のビジネス専門誌への寄稿,インタビューをまとめてみました.

 

■日経トップリーダー 「『修羅場』を5STEPで乗り越える」2012年6月号 pp.22-23.

(内容)後継者が直面する修羅場についてと内省と対話を通じてそうした修羅場を乗り越えていくための道筋についてです.

 

■人材教育 「チーム・組織の能力を引き出し企業の持続的成果を実現するヒント」2012年6月号 pp.86-91.

(内容)2012年3月13日・14日に行われた日本能率協会主催の組織開発フォーラム2012での講演と対談をまとめて頂きました.組織の未来と組織開発の関係,組織開発が何を扱うか,深い変革を可能にする内省と対話などについて語っています.対談は,日産自動車 組織開発部 本部長の清原正治さんと日本オラクル 人材組織開発部 シニアディレクター 赤津恵美子さんと.

 

■ブレーン 「共創パワーを最大化するには」 2012年7月号 pp.46-48.

(内容)テーマは,ファシリテーション型のリーダーシップについて.内省と対話を通じてチーム一人ひとりの力を活かし,多様な視点から“解”の質を高めていく工夫や自分自身が広告代理店で働いていたときの経験などを語りました.他にTRUNKデザインディレクターの桐山登士樹さん,フューチャーセンターで有名な野村恭彦さんが同じコーナーに登場されています.

■ビジネス香川 BKセミナー 「組織変革のマネジメント 企業文化の影響力②」2012年5月17日更新

■ビジネス香川 BKセミナー 「組織変革のマネジメント 企業文化の影響力①」2012年5月3日更新

組織変革のマネジメント

今月から4回にわたってビジネス香川さんに「組織変革のマネジメント」というタイトルで寄稿します.今回の寄稿は,ビジネス香川さんに香川大学ビジネススクールの教員が持ち回りで執筆している「目からうろこ!BK seminar」というコーナーです.

 

第1回目は「企業文化の影響力(前編)」がサブタイトルで,目に見えにくく影響力の大きい企業文化について取り上げています.

 

ネットでも読めるようになっていますのでご関心のある方はリンクをクリックして是非ご覧下さい.

しなやかに生きるための内省のススメ

人材教育の11月号が発売になりました。

11月号には、野村総研の永井恒男さんとの共著で これまで6回にわたって連載してきた「内省型リーダーシップ」の 最終回が掲載されています。

 

編集部の方から、読者アンケートの結果、これまでの連載が大変ご好評を頂いていることを教えて頂き、永井さんとコラボレーション出来たことに対して改めて深い感慨を覚えました。私自身が大学院に籍を置いて、内省という深遠なテーマを研究テーマに選んだ頃、ほとんど先行研究もなく光が見えにくい手探り状態が長かったのですが、永井さんには何度も勇気をもらってきました。そんな永井さんと二人で「内省」についての議論をはじめて既に3年以上になるでしょうか。少しずつこれまでの努力が形になりはじめていることを感じます。

 

11月号の最終回はそんな永井さんとの対談。テーマは 「しなやかに生きるための内省のススメ」です。お読みになられた ら是非ご感想などお聞かせください☆

祝ドラフト1位!松本竜也投手

先日の西日本放送『every.フライデー』に、巨人からドラフト1位指名を受けた英明高校の松本竜也投手が緊急出演してくれました。松本投手にとって人生初のスタジオ生出演はevery.フライデーということで、出演交渉した番組プロデューサーはほんとにグッジョブ!でした。

それにしても松本投手は193センチということでデカイ!スタジオでとなりに座った荻野アナとは45センチの身長差。高校生にしてすごい存在感でした。存在感はすごい一方で、とってもおだやかで礼儀正しい好青年でもありました。

 

八木は実は大の巨人ファンということで、この日は番組のリハーサルから落ち着かず、松本投手が目の前に現れたときは興奮して何言ってるのかよくわからない状態に(笑)。本番中には松本投手が堂々と「巨人に行きます!」と宣言してくれて、もうスタジオにいながら感動にひたってしまいました。

 

地元のエースから巨人のエースへ。名実ともに日本を代表するようなビッグなピッチャーに成長してくれる予感がします。松本竜也投手、番組スタッフ一同応援してます!

大西ひでと市長とまちかどトーク

10月13日,高松市の大西ひでと市長をNPO法人ソーシャルベンチャーズ四国のオフィスにお招きして市長まちかどトークを開催しました.

大西市長が掲げる重要な政策課題には「コミュニティの再生」があります.背景には,人口の高齢化や地域の自治会加入率の低下などがあります.こうした背景の中で,コミュニティの再生を行政が主導して行うことは現実的には難しい面もあることを大西市長はよくご存知でもあり,そうした難しい面を補うためにも市民との対話やNPOや企業との協働に大変意欲的でいらっしゃいます.

この日は大西市長を囲んで,約1時間程,コミュニティ再生に向けてのソーシャルベンチャーズ四国の活動紹介や地域のテーマについてのフリートークの場を持たせて頂きました.楽しくあっという間に時間が過ぎ,市長からも「また是非もっとゆっくり話しましょう」と言って頂き,今後,高松市との協働についても様々な示唆を頂いた時間でした.大西市長,ありがとうございました!

二刀流マネジメント

今月10日に発売となったリクルートのWorksの特集テーマは「対話=ダイアログで紡ぐ 人と組織の未来

特集の中で私のインタビュー「ピラミッドにネットワークの良さをいかに取り込むかが企業の課題(p.19〜21)」も掲載されています。

 

このインタビューの中でお伝えしたかったメッセージの1つは、『マネージャーやリーダーには二刀流が求められる』ということでした。1つは、官僚型マネジメントシステムを具現化したピラミッド型の組織構造を動かす方法。もう1つは、自律的な人間同士が様々な情報や想いを共有する場としてのネットワーク型の組織構造を動かす方法です。

 

人には得意不得意があるでしょうが、マネージャーやリーダーはこの二刀流のどちらも使いこなしていかなければなりません。前者のピラミッド型を動かす方法には、計画、公式の役割分担と権限付与、支持命令、報連想(報告・連絡・相談)、評価、金銭的報酬、各種規則の設定など様々なものがあります。こちらの方法は、どちらかというと左脳的なので二刀流の「左の刀」と呼ぶことにしておきましょう。

 

一方、後者のネットワーク型を動かす方法としては、ヴィジョンの共有や文化のマネジメントが必要で、そのためには対話と内省が重要です。こちらの方法は、どちらかというと右脳的ですから「右の刀」と呼ぶことにしましょう。

 

左の刀は、集団が目標を安定的かつ効率的に具現していく上での必要条件と言えます。左の刀が得意な人は、この刀を用いて多くの問題を回避できることを熟知していらっしゃいます。ただし、この左の刀ばかりを用いていると、この刀によって動かされる人々は単に役割をこなす代替可能な道具としかみなされなくなり、人々の心には不満や怒りが募って、やがて想いの部分ではついていけなくなっていくことがあります。

 

右の刀は、集団が団結し、可能性を追求し、新しいものを創造していく上での必要条件と言えます。右の刀が得意な人は、場の空気や職場の人間関係が人々の想いやモチベーションに与える影響を熟知し、対話を深めながら人間関係や情報ネットワークの質を向上させ、人々から新たなアイデアの発見や挑戦へのモチベーションを引き出します。ただし、この右の刀は、すぐには効果が現れにくく、しかも人間関係のメンテナンスには多くの時間と労力を割かねばならず、必ずしも効率的とは理解されません。また、右の刀は、コミュニケーション能力の低い人や怒りなどの感情をコントロールすることが苦手な人にも扱うことが難しい面があります。

 

組織を活性化していく上で、どちらの刀がより重要かという議論はあまり意味がありません。どちらの刀も必要で重要なのです。二刀流を使いこなすには、様々な工夫があります。マネージャー自身、自分にとって不得意な刀があれば、その使い方を訓練するということも1つの工夫ですし、役割として右の刀と左の刀を別の人で分担することも工夫です。多くの企業では、左の刀についてはかなり精緻に仕組み化されていることが多いのですが、右の刀については仕組みがまだまだ整っていないケースが多いように見受けられます。そこで、右の刀についても仕組み化しておくことも大切な工夫の1つになります。例えば、始業時にメンバーがそれぞれに今抱えている状況を想いと共に一人1分ずつ話すことにするといったことを仕組み化するなどです。

 

二刀流の訓練方法や仕組み化については、かなり知見がたまりつつあるので、これはまた別の機会にお伝え出来ればと想います。

ビジネスキャリア演習@日本大学

日本大学法学部にて,9月5日〜16日までの土日を除く2週間,毎日10:00〜16:00の3コマ連続という夏期集中講座を非常勤講師として担当しました.科目は「ビジネスキャリア演習」.受講生は5人.普段,社会人の大学院生達を担当するのとは違って,とにかく若い!20歳と21歳.八木の年齢のほぼ半分...彼・彼女らは,SMAPがCDデビューした年に生まれたとのこと(!).普段あまり感じる事のない世代間の差を実感させられる貴重な体験.

 

授業では,毎回チェックイン(今感じていることを1人1分くらいでシェアする場)からはじめ,平静さと集中力を養うために瞑想の時間を持ち,その日のテーマを説明した後,体験型ワークショップ(合気道,ダンス,模擬面接等)やリフレクション(人生を振り返って内観をしたり,未来にどうしても実現したい夢を描いたり)をし,学生からのプレゼンテーションが行われ,最後にダイアローグをしました.授業の流れは毎日とてもシンプル.

 

2週間という短い期間でしたが日を追うごとに学生の皆が変わっていくのを感じました.初日には自分の夢がよくわからず,わずか8分間のプレゼンテーションの時間を大幅に余らせてしまった学生達だったのですが,2週目の授業では20分以上かけて自分が実現したいヴィジョンとそれを実現するためのシナリオについて熱いプレゼンテーションをしてくれました.

 

今回のビジネスキャリア演習は,生きる事,そして自分の内側から変化を生み出す事にダイレクトにつながる時間にしたいと考えてデザインしました.そして,学生達が次々と前向きな変化を生み出していく様子に感動させてもらった2週間でした.「答えは自分の中にあることに気づかせてもらいました」と話してくれた学生の言葉が,そうした皆の変化を物語っていました.

 

2週目の最終日には学生の皆から素敵な寄せ書きまでもらって本当にうれしかったです.感謝と共に,それぞれのヴィジョンの実現を心から応援したいと思います.

ヴィパッサナー瞑想と内省型リーダーシップ

この夏,ヴィパッサナー瞑想を学びに京都で10日間のコースを受けてきました.このコースは,S・N・ゴエンカ氏による指導を忠実に再現するもので,日本ヴィパッサナー協会によって開講されています.ヴィパッサナー瞑想は決して宗教ではなく,S・N・ゴエンカ氏も宗教家ではなく,このコースは純粋に瞑想法を指導するものです.ゴエンカ氏の指導によって世界中で開催されているヴィパッサナー瞑想のコースは全て無償で提供されており,ゴエンカ氏をはじめ全てのスタッフがその運営に無報酬で関わり,運営に必要な資金は全て受講生からの寄付によって賄われているそうです.


瞑想には多くの方法論がありますが,ヴィパッサナー瞑想はインドに古くから伝わる瞑想法の1つで,その伝統はお釈迦様にまで遡るものとして知られています.このヴィパッサナー瞑想で特に強調される点は,今起きていることを平静な心で観察し続けるというものです.そのため,呼吸や身体の感覚に意識を向け続けます.他には何もありません.何かを唱えたり,拝んだり,イメージしたりといったことは一切ありません.自然に起きることをひたすら観察する.ただそれだけです.ただ起きることを観察すると,自分自身の息づかいや皮膚の感覚や体の重みやいろいろな感覚が知覚されます.

 

そして,その感覚は時間とともに変化していくことを理解しはじめます.当たり前のことかもしれませんが,私自身,この事実を体験し,とても驚かされました.例えば,足が痺れて痛む,その感覚を観察し続けていると,やがて痛みという感覚も変化していきます.全ては変化しているという事実を,自らの身体を観察し続けることを通じて学ぶのです.この観察を通じての学びは,決して単に知識を増やすということではありません.自分自身の身体の枠組みを使い,智慧として深める学びです.

 

現在,私自身は,このヴィパッサナー瞑想の,そしてこの学びの全くの初学者です.初学者ではりますが,その素晴らしさは強く感じました.S・N・ゴエンカ氏は,講話の中で,心の平静さの基盤は,全ては変化しているという理解にあると言われていました.本質的に変化するものであるからこそ,その理解を通じて心のとらわれや執着もなくなるのだと.私自身はもちろん日常生活の中でとらわれだらけなわけですが,この学びはとても参考になっており,気持ちを立て直して落ち着きを取り戻す上で大変役に立っています.

 

現在,ビジネス専門誌の『人材教育』にて内省型リーダーシップを野村総研の永井恒男氏と一緒に連載しています.その中で私は,リーダーの2つのタイプを示しました.1つは内省型で,もう1つは反応型です.反応型は目の前で起きることにとらわれ,すぐに過去からの行動パターンを繰り返してしまいます.内省型は,目の前で起きていることに対してパターン化された反応をするのではなく,受け止め,判断を保留し,事態の背景を掘り下げ,自分のあり方をみつめ直して,新たな対話を生み出していきます.

 

私は今回のヴィパッサナー瞑想を通じて,内省型リーダーシップを実践する上で重要なポイントは,目の前の事態にとらわれを持たないということだと理解しました.どのような事態に対してもとらわれを持たず,平静でいることが極めて大切なのです.難しいことですが,ヴィパッサナ—瞑想を通じて,心の平静さを学び,訓練することは可能だということがわかりました.とらわれを持たずに,平静でいるからこそ,反応的な行動ではなく,常に変化し続けるという事態の本質を見つめ,本当に深く自分が望んでいる方向に対してぶれずに前進することが出来るのです.


改めて内省は本当に深いものであることを学ばせて頂いた暑い暑い夏の京都での10日間でした.このヴィパッサナー瞑想について教えて下さった友人に心から感謝し,コースを用意してくださった日本ヴィパッサナー協会の皆様,そしてS・N・ゴエンカ氏に心から感謝したいと思います.ありがとうございました.

組織行動論 2011年度

いよいよ夏休みに入りました。2011年度、前期に八木が担当した科目、組織行動論と人事管理論も無事に終了しました。

 

今年も授業を通じて行われる探求と学びの質が回を追うごとに深まっていくことが感じられました。学生の皆さんが、互いの意見を傾聴し​、自分のあり方を見つめ、自分がどうありたいかを語ってくれる素晴らしい時間を沢山共有することが出来ました。

 

この写真は、今顕在化しつつある時代の変化について、そしてその変化の中での自らの立ち位置や役割について皆でダイアローグした時の授業の様子です(撮影は2年生の片岡伸忠さん)。

このように車座になって語り合ったり、

時には、一度作った輪を崩して自分の立ち位置を再検討したりしました。

そして、皆が心を開いて思うところを語り、

お互いの言葉を傾聴しました。

これは最終日、授業の打ち上げの様子です。

 

皆で沢山の探求をし、お互いから学ぶという経験が信頼や友情も深めてくれたと感じています。

本当に楽しい授業でした。学生の皆さんに心から感謝!

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