お問い合わせ

blog

内省がリーダーを育てる:ファミリービジネス学会 第2回全国大会

今日はファミリービジネス学会の第2回全国大会でした.

私も朝一番で「ファミリービジネス後継経営者の内省経験とリーダーとしての有効性の関係」というタイトルの発表をさせて頂きました.

会場は慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネススクール).自分の母校での発表ということで感慨深いものがありました.校舎の建物が新しくなっていて,高級フレンチ・レストラン,アイリッシュパブ,タリーズ・コーヒー,スポーツクラブなども入っていて昔の校舎とは比べ物にならないくらいに豪華な感じです.

発表の方は,内省という概念の定義,後継者による内省経験がなぜリーダーの有効性を向上させるのかという仮説,仮説に関する調査とその結果を中心にさせて頂きました.質問紙調査に回答くださった3,500社以上のデータによって内省がリーダーの有効性に強い影響を与える要因であることを実証的に明らかにしました.

発表後も沢山の方々からご質問やコメントを頂きまして,特に内省に関する高い関心や興味深い視点を沢山提供して頂き大変うれしく思いました.同じトラックで発表された飯盛先生からも内省の重要性について別の視点から何度も強調して頂いて心強かったです.

神戸大学の加護野先生から頂いたコメントも大変興味深くためになるものでした.加護野先生によれば,経営者として内省を重視していた松下幸之助は,部下の内省を深めるために意識して「叱る」ということをよくしていたそうです.叱り方にも松下幸之助の独特の考え方があり,「小さな失敗」は叱り,「大きな失敗」は叱らずになぐさめたのだそうです.小さな失敗ほど人はよく考えずにしてしまっていることがあるからだそうです.なるほど,まさに「小事は大事」ということなのですね.

コメントを頂いた皆様,本当にありがとうございました!そして,全国大会の開催にご尽力いただいたファミリービジネス学会の皆様,心より御礼申し上げます.

ところで,現在は後継経営者の内省経験を深め,リーダーシップを向上し,組織を活性化する具体的な方法論の開発に力を入れています.すでに具体化された方法論を基にご依頼を頂いた企業からの協力を得ながら導入の段階に入っており,将来的にはより多くの企業で実施と検証を重ね,一連の方法論として精緻化していきたいと考えています.こちらもまた近い将来,別の機会にご紹介できると思います.