実践型社会起業家論 経過報告(12月16日分)
2009.01.15
1月13日、実践型社会起業家論の今年最初の授業が行われました。
昨年12月13日からしばらく更新が途絶えておりましたので、経過報告をいたします。
まず、昨年の12月16日の授業から先に記しておきたいと思います。
12月16日は、実践型社会起業家論の第2回目の授業でした。
講師にはニッセイ基礎研究所の取締役研究理事を務められる神座保彦さんをお招きしました。
神座さんに今回ご登壇頂いたきっかけは、私がこの授業の教科書として使用できる参考文献を探していた時に神座さんのご著書「概論ソーシャルベンチャー」を発見し、内容が網羅的かつ実践的であると感銘したことでした。
授業では、神座さんご自身が日本生命でファンドマネージャーとして、あるいはベンチャーキャピタリストとして多くの経営者、起業家と出会ってこられたご経験を基に、社会的起業家が見落としやすい視点を大変わかりやすくご説明くださいました。
私が印象に残ったのは、ボランティアや慈善活動の延長としてソーシャルベンチャーを捉えている人達が直面しやすい壁として、しっかりとしたビジネスモデルを構築することなく、とにかく熱い気持ちだけで走り続け、結果的に息切れを起こしてしまう事例が多いという話でした。これは大変もったいないことです。持続的な社会貢献が出来るためには、社会から頂いた有形無形の助力を効率的に活用できるかが重要なポイントとなります。非効率にしか活用できないとわかっていたら、あるいはもっと効率的に活用してくれる組織が他にあることがわかれば社会からの助力(一種の投資)もやがて減っていきます。当然のことながらしっかりとしたビジネスモデルや事業計画が必要となります。神座さんは、多くの例を挙げながらビジネスモデル(組織の外部および内部環境から効率的・持続的に経営資源を獲得し、活用していく仕組み)と社会貢献モデル(組織の持つ経営資源を社会的な成果へと転換する仕組み)を両立させるソーシャルベンチャーの仕組みづくりについてご説明くださり、私自身も大変勉強になりました。
受講生の皆さんとのディスカッションや発表もとても聞きごたえのあるものでした。
<下の写真はグループでのディスカッションと、発表の風景>
神座さん、ありがとうございました!