緊急クラウン・ジャポンにご協力求む!
2009.07.09
※今日のブログの最後に香川県にお知り合いのいらっしゃる方々への「ご協力のお願い」があります.よろしければ是非最後までお読み下さい.
先月,SVP東京の投資協働先選考会を見学させて頂き,そこで私が衝撃を受けた出会いがありました.
それはドクター・クラウンをされている「緊急クラウン・ジャポン」の村上純子さんとの出会いです.
>右の方が村上さんです.
村上さんはフランスで俳優・クラウンとしてのご経験を積み,現在はフランスと日本を行き来しながら病院や高齢者施設などを訪問し,赤い鼻をつけたクラウンとして,病いや老いによる様々な痛みに向き合わざるを得ない方々に明るい笑顔を届けていらっしゃいます(クラウンとは道化の意味,ピエロはクラウンの役柄の1つだそうです).
緊急クラウン・ジャポンは,そういった病院や高齢者施設を訪問するクラウン(ドクター・クラウン,あるいはホスピタルクラウンと呼ぶそうです)を派遣する活動と,クラウンの担い手の育成やクラウン体験のワークショップを一般の方々にも提供している団体です.
SVP東京の投資協働先選考会で,村上さんをはじめ緊急クラウン・ジャポンの方々のプレゼンテーションを拝見したのですが,本当に笑いあり涙ありの素晴らしいプレゼンテーションでした.映画やテレビでしか知らなかったパッチ・アダムスが目の前にいる感じでした.
>皆,赤い鼻をつけています.真ん中が村上さん.
>クラウン達によってプレゼン会場は笑いの渦に包まれました.
人は笑うことで免疫機能が向上し,元気になることが多くの研究からわかってきています.しかし,一旦病気を患ったり,あるいは病や老いによって死に向き合わざるを得ない状況の中では心の底から笑うことは難しくならざるをえません.
そのような状況にいらっしゃる人々を訪問し,お一人おひとりの心に触れ,笑いを引き出す活動.このことは本当に価値のある活動であり,同時にとても大変な活動であると思います.クラウンの方々も時には自分自身の迷いと闘うこともあるでしょうし,簡単には心を開かれない方々と関わるかもしれない以上は多くの忍耐力が求められるでしょうし,何よりも人間に対する愛がなければ出来ないことだと思います.
ところで,クラウンの方々の活動に対して,病いや老いが進行していてもはや死を免れない状況の方々であれば,笑って免疫機能を上げても意味がないのではないかというちょっと冷めた見方も出来るかもしれません.少しそのことを考えてみたいと思います.
世界保健機構(WHO)は,健康の定義を次のように変更しています.
1948年の定義「身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり,たんに病気あるいは虚弱でないことではない」
1999年に変更された定義「健康とは身体的・精神的・霊的・社会的に完全に良好な動的状態であり,たんに病気あるいは虚弱でないことではない」
大きな変更点の1つは霊的という言葉が挿入されたことです.ここで霊的と言われているのは,別に前世がどうのという話ではありません.霊的という概念として重視されている点は,心の平安,内的な強さ,人生の意味などであって,どのような状況にあっても抱き続けることの出来る人間としての内的な尊厳や前向きさとでも言えるものです.
病には治る場合と治らない場合がありますし,老いに関して言えば誰もがそれに逆らうことは出来ませんから,やがて死を迎えざるをえません.そんな状況でも笑いが重要だと考えるのは,笑いを引き出そうとするコミュニケーションが人間に対する愛に基づいているからです.このことが霊的な意味も含めた人間の健康に寄与しないはずがありません.したがって冷めた見方をしている場合ではないのです.
さて,少し話がそれたので本題に入ります.実は,緊急クラウン・ジャポンの村上純子さんともうお一人のクラウンの方(クラウンの訪問活動は通常2人一組で行われます)がこの秋に香川にいらして下さることになりました!イェイ!
直接的な目的は,私どもの実践型社会起業家論の授業における講師としてです(授業では,クラウンのワークショップもしていただきます.受講生はクラウンの赤い鼻をつけられます!).
そしてここからが香川の皆さんへのご協力依頼の内容なのですが,香川県内で緊急クラウン・ジャポンのお2人のクラウンから訪問を受けたい病院(特に小児病棟)や老人施設をご紹介頂きたいのです.出来れば緊急クラウン・ジャポンの定期的な訪問拠点となる場所が香川県内に誕生することを希望しています.もしご紹介いただける施設がありましたら八木までお知らせください.メールはこちらからどうぞ.
ご紹介いただいた施設には,八木が緊急クラウンジャポンの資料と映像を携えてご説明にあがりたいと思います.その際は,日当等の条件についてもご相談をさせて頂きます.今回のクラウンのお二人の交通費は香川大学側が負担しますのでとてもリーズナブルな機会でもあります.なお今回の訪問は日程的に最大3施設程度となりますので,ご紹介いただいた施設全てに伺えるとは限りませんことを先にご了承下さい.
以上が「ご協力のお願い」でした.長文を最後までお読み頂きありがとうございました.