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ビジネスプラン発表会

振り返ってみると本当にあっという間でした.もう先月の22日のことなのですが,おかげさまで無事に実践型社会起業論のビジネスプラン発表会を行うことができました.(ブログをもっと早く更新しなければと思いつつ,生来のなまけぐせでついつい遅くなってしまいました.順番はかなり後先しますが,それ以前の授業の様子なども私自身の為の記録用という意味も含め,今後追いかけてアップしていきたいと思います.)

今回のビジネスプラン発表会は,地域の問題解決や未来のよりよいビジョンを実現するようなアイデアを練り,多くの人から共感を得られる形でプレゼンテーションすることを課題として行われました.

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受講生は単独で,あるいはグループでこうした課題に取り組み,当日は12組もの発表がありました.

テーマの一例を紹介すると,障がい者の経済的自立,農産物地域間交流販売,瀬戸内の多島美を活かしたビジネス,節水推進,犯罪被害者遺族の支援,プロアスリートの人生を応援,高松玉藻城築城,さぬき弁の伝承,などなどです.

今回,審査員は,伊藤健さん(ソーシャルベンチャーパートナーズ東京 ディレクター),濱田厚史さん(香川県商工労働部長),古川康造さん(丸亀町商店街振興組合理事長)にご協力を頂き,加えて八木も務めさせていただきました.審査員はそれぞれ自分でこだわって選んだ賞品を発表者の皆さんのために準備して持ち寄りました.

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<賞品の一部,ペンギンと丸い亀さんのぬいぐるみ,社会起業家の本>

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<さらに景品のネクタイ(左端)は「うどんネクタイ」,ペンギンがしているのは「オリーブスカーフ(右端)」>

発表では面白くて素晴らしいアイデアが多く ,「どれを選ぶべきか???」と審査プロセスはうれしくも悩ましいものでした.

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<悩ましかった審査中の一コマ >

最終的に伊藤さんは「瀬戸内の多島美を活かしたビジネス(関直樹さん他)」と「地方から全国へ,ずっと愛される国民歌を.ひろがれクリエイターの輪『トコミュージック』(小野智子さん)」,濱田さんは「高知県林業振興プロジェクト〜豊かな森を守り,住民生活を支える仕組みづくり〜(有光郷司さん他)」,古川さんは「飯友の輪(河端章宏さん)」,八木は「犯罪被害者遺族の支援(清水広志さん他)」をそれぞれ受賞プランとして表彰しました.

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<発表タイトル「飯友の輪」で古川さんから「丸い亀さん賞」を受賞された河端さん>

それぞれのアイデアは,ユニークさ,ビジネスプランとしての構図,社会や地域の問題に対するインパクト,など様々な点ですばらしいものでした.受賞者の皆さん,おめでとうございました!!!そして発表してくれた全受講生の皆さん,お疲れさまでした.

これらのプランの中にはすでに進行中のものもあります.今後の発展をさらに期待し,応援したいと思います.

なお,当日の様子は,翌日の瀬戸内海放送のお昼と夕方のニュースでも放映されたそうです(残念ながら私は見れませんでした).

また,近く香川経済レポートにも掲載される予定ですので,ご興味のある方は是非そちらを読んでみてください.

授章式の後、ソーシャルベンチャーパートナーズ東京のディレクターを務める伊藤健さんから起業家支援の取組みに関する講義も頂きました。ソーシャルベンチャーパートナーズの取組みを四国でも実現できれば地域活性化に対して重要な取組みなると考えています。この内容についてはページを改めてご紹介いたします。

ファミリービジネス学会

昨年、設立されたファミリービジネス学会の公式サイトができました。

ファミリービジネス(同族企業)の研究は、日本ではまだ十分な注目を集めていませんが、90年代以降、欧米を中心に盛り上がってきています。

実は経済的なパフォーマンスが非ファミリービジネスに比べて高い傾向であったことや、コアとなる価値観やミッションを大切にして長期的に反映している企業が多いことなど、その存在意義が見直されています。

また実際問題として、日本企業の多くはファミリービジネスであるということもあり、ファミリービジネス特有の経営課題に対して日本でもきちんとした研究成果が求められています。

最近、八木はブログで社会起業家のことばかりを書いていますが、八木の主たる研究領域は本来リーダーシップであり、特にファミリービジネスにおけるリーダーシップを研究しております。

ファミリービジネス研究やファミリービジネスの経営問題にご関心のある方とは研究者・実務家を問わず活発に情報交換をしていきたいと思っておりますので、お気軽にご連絡ください。

またよろしければ同学会にも是非ご入会ください。

※同学会ホームページの入会フォームがまだ未整備のようですので、整備されるまでの期間であれば八木宛にお申し込み頂ければ学会の事務局におつなぎいたします。

ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ四国をつくろう!

先日,2月22日の実践型社会起業家論 にて,ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ東京(以下,SVP東京)のディレクターを務められている伊藤健さんにご講演をしていただきました.演題は「社会イノベーションの源泉としての社会起業とそれを支える仕組み—SVP東京の挑戦—」です.

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<伊藤健さん>

伊藤さんは,現在,NPO法人ISLの社会イノベーションセンター統括ディレクターとして,社会イノベーションのためのイニシアチブを推進する傍ら,SVP東京のディレクターとしてソーシャルベンチャーの育成・支援に携わっていらっしゃいます.

伊藤さんの講演資料から引用しますと, SVP東京の目指すゴールは「社会起業に対する支援と,それを通じたコミュニティの進化」であり,そのミッションは「組合員(パートナー)個人が自らの動機や情熱に基づいて,自らの時間,資金,専門性を通じ,社会的な課題に対し革新的な進歩をもたらそうと試みる事業(ソーシャルベンチャー)に対し支援を行う.また,そのコミットメントから,コミュニティの進化と,それに関わった個人の新しい資質を引き出す」とあります.

そして同資料より,SVP東京の事業内容としては「⑴ビジネスにおけるベンチャーキャピタルのアプローチを採用,または応用し,ソーシャルベンチャー事業を,資金や経営ノウハウ,技術面から支援する事業 ⑵ソーシャルベンチャーに関わる人材育成,ならびに組合員教育事業 ⑶ソーシャルベンチャーに関わる経営手法の進化,研究事業 ⑷ソーシャルベンチャーに関する幅広い情報発信,啓蒙事業」とあります.

SVPの活動は,パートナー一人ひとりが年間10万円を出資して一口100万円の投資(助成)を行う経済的な側面と,パートナーの持つノウハウやネットワークによってソーシャルベンチャーに貢献する非経済的な側面に分けられます.また,ソーシャルベンチャーに対する(経済的および非経済的な)育成支援の側面とパートナー自身の自己実現の側面があり,その活動は全体(社会貢献)と個(自己成長)のバランス良い関係によって推進され,参加する側にとっても魅力的なスキームとなっています.

もともとソーシャルベンチャーパートナーズは,1997年にシアトルで設立された組織で,2001年にはSVPInternationalが設立され,現在では北米に25の加盟組織と1500人のパートナーが所属しています.そして既に100以上の非営利組織に累積20億円以上の投資(助成)をしているそうです.

先にも触れましたが、SVPのユニークな特徴は,単にお金を出すだけではなく,それぞれのパートナーが持つ専門性に応じて,投資先のソーシャルベンチャーに対して運営ノウハウなどの支援も行っていることです.例えば,戦略構築,財務計画・アカウンティング,ファンド・レイジング,組織開発,ガバナンス,情報技術,広報,外部ネットワークの紹介等々の支援があります.このような様々な支援を現場で行うことはSVPの非常にユニークなポイントであり,代表の井上英之さん曰く「自分達はスーパーおせっかいファンド」なのだそうです.

これまでにSVP東京が既に支援を行ってきた,あるいは行う予定のソーシャルベンチャーは7団体あるそうです. それぞれの団体が ⑴社会的なインパクト ⑵革新的で,持続可能なビジネスモデル ⑶外部リソースを引きつけることが可能な共感性 ⑷SVP東京の持つリソースとのマッチング といったSVP東京の投資先選考基準をクリアして助成を受けています.

伊藤さんにそれらの団体の概要を紹介いただいたいのですが,どの団体も素晴らしい活動を行っています.例えば,手話によるろう教育の確立と,ろう文化と聴文化の共生が可能な社会を目指す「バイリンガルろう教育センター」,病児保育の実現により,仕事と育児の両立を支援する「フローレンス」, 国際交流プログラムの実施による日本の地域再生を目指す「ワールド・キャンパス・インターナショナル」,産後ケアの重要性を提唱,セルフケアプログラムを提供する「マドレボニータ」,農業における社会起業を目指す「みやじ豚」等々です.

講演の最後に,伊藤さんは「SVPの仕組みは実は非常にシンプルです. よろしかったら是非,『ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ四国』をつくってみてはいかがですか?」と呼びかけてくださいました.

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<講演の最後に「SVP四国」を呼びかけてくれた伊藤さん>

伊藤さんとはその晩,(いつもの如く)遅くまで飲み明かしましたが, ソーシャル・ベンチャー・パートナーズ四国をつくるなら喜んで協力してくれると力強い約束をして頂きました♪

伊藤さん,本当に素晴らしい講演ありがとうございました!

そして,四国の皆さん,いかがでしょうか? 是非みんなでSVP四国をつくってみませんか.

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