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二世経営者 吉田英樹の苦闘

今日は出張で慶応ビジネススクールを訪問し、高木晴夫先生の授業に参加させて頂きました。

今回の出張目的は、高木晴夫先生が担当されている組織マネジメントの授業で私が作成したケース「二世経営者 吉田英樹の苦闘」が使用され、そのケースに関するティーチングノートを高木先生と助教の国保さんと一緒に作成することでした(ケースの購入はこちらです)。

「二世経営者 吉田英樹の苦闘」は、ファミリービジネスの後継経営者である吉田英樹氏が経験した様々な困難とそれに対する彼なりの判断や対応を描いたケースです。 リーダーの視点から見たかなり生々しい出来事がいくつも描かれているため、特にファミリービジネスのリーダーであれば経験するかもしれない様々な出来事を臨場感を持ちつつ共有し、検討するのに適した教材になっています。高木先生のリードもあって今日の授業でのディスカッションも大変盛り上がりました。特にご自身がファミリービジネスの後継者でもあるという学生さんには、授業後、大変参考になったとわざわざ私のところにまで来てお伝え頂きました。

現在、日本の経営者は全体的に高齢化が進んでおり、次世代へのバトンタッチが急速に進んでいる状況です。バトンタッチに際しては、株式などのオーナーシップの移転だけではなく、後継者のリーダーシップ開発も非常に重要な課題ですが、各種統計調査などを見る限り、リーダーシップ開発の部分はかなり立ち遅れているのが実情と言えます。

大量のケースがストックされている慶応ビジネススクールでも、ファミリービジネスの後継者を中心的に扱ったケースは現在おそらくこれだけと聞いています。地域マネジメント研究科も含め、ビジネススクールの学生さんには将来家業を継がれる立場にある方々も少なからず含まれているため、今後はそうした方々に向けた教材ももっと開発していきたいと今日は改めて思いました。そして、今回、ティーチングノートも作ることになりましたし、ファミリービジネスの後継者教育、リーダーシップ開発に携わっていらっしゃる方々にも少しでもお役に立てればと思っております。

なお、ティーチングノートは完成しましたら慶応ビジネススクールのホームページから購入可能になりますので、またこのブログでもご案内します。

公開講座「知的生産性の向上」

香川大学の生涯学習教育センターが主催するセミナーで講師を務めます。

テーマは「知的生産性の向上」です。

日程は5月15日(木)と22日(木)の19時から21時です。

申込みの締め切りは5月8日(木)だそうです。

ご興味のある方はご参加ください。

内容について:

企業などでライフワークバランスを改善する必要性が指摘される昨今ですが、本質的に重要な議論は単なる労働時間の短縮ではありません。重要な点は、時間当たりの生産性をいかに高められるか、そしてその結果として労働時間をいかに短縮できるかにあると言えます。

本講座では特に知的生産性の重要性とその改善に焦点を当て、モチベーション管理、時間管理、情報管理、抽象化能力、創造性、思考ツール、ロジカルシンキング、
アウトプットの方法までの一通りを講義とワークショップによって短期集中で学習します。

短期集中なので基礎的な内容をしっかりと踏まえながら、実践でも十分に役立つようにプログラムを設計しています。

組織の創造性を高めるリーダーの視点

昨日は福井県で地域活性化に熱い志を持っているオレボビズスクールさんが主催するビジネスリーダーセミナーで講師を務めてきました。今回のセミナーは、私の研究テーマでもある「 チームや組織の創造性を高めるリーダーシップ」を受講生の方々に身につけて頂くことを目的に設計したセミナーで、丸一日、受講生の方々と楽しく共に学ぶことができました。

今日のブログでは、組織において創造性を高めるという課題は、実は大変奥が深く、しかもリーダーにとって高いスキルを要求する課題であるということについて、少し書いておきたいと思います。

まず言うまでもないことですが、働く人々の創造性を高めることは組織のリーダーにとって極めて重要な課題です。経営環境の変化に適応しようとするあらゆる企業努力、イノベーションや改善への挑戦、これらは全て人々の創造性によって成し遂げられるものだからです。

そして、リーダーシップはそのような創造性を育むための重要な基礎にあたります。しかし、実際には多くの企業において創造性は促進されるよりも殺されてしまうことの方がずっと多いことを経営分野の研究者達は指摘してきました。それは一体なぜでしょうか。組織にとって創造は未来への新たな挑戦であり、そこには当然少なからずリスクが伴います。組織が創造性を育むために適切な条件を持たない場合、組織はリスクを避けて安定を求める傾向を示しやすく、組織の創造性は安易に殺がれてしまうのです。

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