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藤井先生との出会い

今日は以前からずっと楽しみにしていた関西学院大学の藤井美和先生と出会いの機会を頂きました。死生学を研究されていらっしゃる藤井先生から死と生命についてのお話をお聞きし、本当に多くのことを学ばせて頂きました。NHKの番組や4月18日の朝日新聞の記事にも紹介されているように、先生の授業では「死の疑似体験」というワークが行われています。このワークの背景には、藤井先生ご自身が経験された全身が動かなくなる重いご病気や、そこで感じられた「私は何のために生きてきたのだろう」という深い問いかけ、そしてそのご経験を通じて受け取られた「あなたはそこにいるだけで貴い」というメッセージ、そういった藤井先生の人生における様々な出来事があったことをお聞きしてとても深い感銘を受けました。現代において死はタブー視される風潮があると言われます。たしかに死は日常の中でほとんど語られていないように思います。しかし、その一方で死を見つめることを通じて藤井先生のように人生の本当の意味を感得される方が多くいらっしゃることも事実であることを学ばせて頂きました。だからこそ死を疑似体験する藤井先生の授業の価値と意義は本当に大きいと改めて思いました。経営者を育成するということをミッションとするビジネススクールにおいても死と生命について真剣に考えることの価値は大変大きいと思います。経営者は企業という場を創ることを通じて多くの人々に働く場を提供し、生きがいを提供することが出来ます。しかし、同時に職場における様々な問題を通じて生きがいを見失ってしまう人々が沢山いらっしゃることも最近の報道でよく目にします。本当に大切なものを見据えるための内省と対話が現代社会には強く求められているように思えてなりません。ビジネススクールの使命についても深く考えさせられる出会いでした。藤井先生、本当にありがとうございました!藤井先生のご著書紹介「たましいのケア」・・・藤井先生がされたご病気の経験やその後の歩みなどが記されていてとても感動的な本です。私も今日読ませて頂きました。kanseigakuin.jpg関西学院大学のキャンパス とても綺麗で驚いてしまいました♪

地域起業家養成研修

7月12日、慶応ビジネススクールが実施している地域起業家養成研修に講師としてお招きいただき授業をしてまいりました。

この研修は文部科学省に採択された「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」として実施されている研修で、全国5か所の会場をTV会議システムを使って結び、ビジネススクールで実施されているケースメソッド教育を用いた地域の起業家育成を目指しています。

5か所の会場を同時に映し出し、皆さんと発言のやりとりをしながら授業をリードしていくという体験はなかなか面白いものでした。

各会場には2~3名の受講生がいらっしゃって、全部で10名の方々とディスカッションをしたのですが、クラス全体が共有している文脈と、各会場のみで発生している文脈あるいは空気のようなものがあり、それらを全体として感じながら授業をするという体験が特に面白い点でした。

今回使用したケースはファミリービジネスの後継経営者の困難な経験を扱った「二世経営者 吉田英樹の苦闘」でした。

なかなか深い議論になり、遠隔でしかも5会場であってもかなりのところまでディスカッションを深めることができるという貴重な経験値を得ることが出来ました。

ただし、今回は受講生の方の数が10名と少なかったことも重要な条件でした。

これ以上人数が増えたらどうなるか、機材などのコンディションが違ったらどうなるか、アシストしてくださった方々のサポートのレベルが異なったらどうなるか等々、まだまだ検証していきたいことが個人的に沢山ありました。

受講生の皆さん、お疲れ様でした。

私も学ばせて頂きました。ありがとうございました。

そしてサポートしてくださった皆さん、本当にありがとうございました!

keioenkaku1.JPG

写真は今回の遠隔授業風景

このように一台のTVに各授業会場の様子が映し出され、発言するとその会場の映像が拡大されるようになっていました。

死生学

先日、6月20日にNHKのニュース番組「ニュースウォッチ9」に関西学院大学の藤井美和先生が御出演になり、「死生学」に関する授業の様子が放映されました。死生学に関して私は全く知らなかったのですが、個人の死と死生観に関する学問ということでした。藤井先生は死を含めて生を考えること、そして生と死にまつわる様々な問題について私たち人間がどのように考え関わっていくかについてご関心を持たれているとホームページに書いていらっしゃいました。番組を見てすぐにこの死生学が持つ経営教育に対する重要性を直観しました。ひとつはキャリア教育に対する重要性です。ビジネスを中心とするキャリア教育では死というテーマはほとんど扱われていませんが、私たちは実際に同僚の訃報に接するといった経験をしながら、自分自身にもいつかそのような 時が訪れることを知っています。その時の視点から今を考え、仕事を考え、キャリアを考えることの重要性は非常に高いと言えます。また、リーダー教育に対する重要性もあります。リーダー自身が自分もやがて必ず死を迎えるという視点から、そもそも何のために頑張るのか、何のために仕事をするのか、という価値観の部分を深く理解できるかどうかは、より一般的な人間理解の深まりに対しても直結するものと考えられます。そして人間理解の深まりは当然のことながらリーダーシップの深まりにもつながるはずです。現代社会は死をタブー視すると言われていますが、そのことには少なからぬ弊害もあるのではないでしょうか。法的な視点から見ても死者には財産に対する所有権がありません。私たちは死によってすべてを手放すことになります。その視点に立つ時にくっきりと見えてくる大切なことはたくさんあると思います。不祥事の多い昨今の経営状況を見ていると、人間にとって本当に大切なものを見つめ直す機会の必要性を感じずにはおれません。死生学の重要性は今後ますます高まっていくと思います。

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