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祝開店!

7月25日,白井英里子さんのお店『SARA』が高松市御坊町にオープンしたので,今日行ってきました.

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白井さんは,今春まで香川大学大学院地域マネジメント研究科のスタッフとして事務方を担ってくださっていた方で,私も大変お世話になりました.

お店では沖縄の読谷焼,大分の小鹿田(おんた)焼などの器や,カゴ,布小物などが売られていて,どれもお世辞ではなく素敵な感じのものばかりでした.

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明るくて気持ちいいお店です.

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↑研究室用に青い模様のかっこいいコーヒーカップを購入.

地域マネジメント研究科からまた一人,アントレプレナーの誕生です.

8月4日からは店内でコーヒーも飲めるそうです.お近くに寄られる機会のある方は是非どうぞ.また,白井さんはブログも毎日更新されているので白井さんファンの方は是非そちらもご覧下さい.

(白井さん,微力ながら宣伝しておきました!)

ドラムサークル用の楽器到着!

ついに購入しました.ドラムサークル用の楽器50人分!

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↑これはまだ全体の一部です.

楽器の選択はこの道の第一人者であり,私のドラムサークルの師匠でもある佐々木薫さんにお忙しいところ無理を言ってお願いしました.今回の楽器の選択は,参加者の方々が自分の個性を音を通じてのサークルの中で表現し,重ね合わせていく上で,とてもバランスのとれたものになっているのだと思います.どんな楽器かと言いますと,ジャンベ,ジュンジュン,トゥバーノ,ボンゴ,タブラッカ,フレームドラム,サーフドラム,スプリングドラム,ゴンゴンベル,ルンバベル,クラーベブロック,ツートーンブロック,スーパーギロ,シェイカー等々・・・.このホームページの読者の方々にはあまり馴染みのない名前かもしれません.

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↑これもみんな楽器です.

実は私にとってもほとんどの楽器の名前ははじめて,あるいは最近聞いたものばかりで,納品されてから楽器の名前と顔が一致したものも少なくありませんでした.調べてみるとこれらはアフリカやトルコ,インドネシア,アメリカなど世界の様々な国々から来た楽器達でした.

楽器購入に際して佐々木さんからは「これでもう昔のあなたには戻れませんねぇ〜〜〜〜〜」という有り難い(!?)お言葉を頂戴しました.確かにこれだけの楽器があると少なくとも研究室のスペースはもう昔の状態には戻れそうもありません.

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↑研究室はかなりぎゅうぎゅうで収納に悩みます.

それにしても色々な楽器を叩いたり振ったりするのはとても楽しくてついつい時間を忘れてしまいます.

さて,これらの楽器で何をするのかと言いますと,もちろん実践型社会起業家論をはじめとする授業等でドラムサークルをする時に使います.どんな授業になるか今からとても楽しみです♪

佐々木薫さんありがとうございました!そして私どもの実践型社会起業家論の開講に助成を頂いております日本財団様に心から感謝いたします.

緊急クラウン・ジャポンにご協力求む!

※今日のブログの最後に香川県にお知り合いのいらっしゃる方々への「ご協力のお願い」があります.よろしければ是非最後までお読み下さい.

先月,SVP東京の投資協働先選考会を見学させて頂き,そこで私が衝撃を受けた出会いがありました.

それはドクター・クラウンをされている「緊急クラウン・ジャポン」の村上純子さんとの出会いです.

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>右の方が村上さんです.

村上さんはフランスで俳優・クラウンとしてのご経験を積み,現在はフランスと日本を行き来しながら病院や高齢者施設などを訪問し,赤い鼻をつけたクラウンとして,病いや老いによる様々な痛みに向き合わざるを得ない方々に明るい笑顔を届けていらっしゃいます(クラウンとは道化の意味,ピエロはクラウンの役柄の1つだそうです).

緊急クラウン・ジャポンは,そういった病院や高齢者施設を訪問するクラウン(ドクター・クラウン,あるいはホスピタルクラウンと呼ぶそうです)を派遣する活動と,クラウンの担い手の育成やクラウン体験のワークショップを一般の方々にも提供している団体です.

SVP東京の投資協働先選考会で,村上さんをはじめ緊急クラウン・ジャポンの方々のプレゼンテーションを拝見したのですが,本当に笑いあり涙ありの素晴らしいプレゼンテーションでした.映画やテレビでしか知らなかったパッチ・アダムスが目の前にいる感じでした.

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>皆,赤い鼻をつけています.真ん中が村上さん.

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>クラウン達によってプレゼン会場は笑いの渦に包まれました.

人は笑うことで免疫機能が向上し,元気になることが多くの研究からわかってきています.しかし,一旦病気を患ったり,あるいは病や老いによって死に向き合わざるを得ない状況の中では心の底から笑うことは難しくならざるをえません.

そのような状況にいらっしゃる人々を訪問し,お一人おひとりの心に触れ,笑いを引き出す活動.このことは本当に価値のある活動であり,同時にとても大変な活動であると思います.クラウンの方々も時には自分自身の迷いと闘うこともあるでしょうし,簡単には心を開かれない方々と関わるかもしれない以上は多くの忍耐力が求められるでしょうし,何よりも人間に対する愛がなければ出来ないことだと思います.

ところで,クラウンの方々の活動に対して,病いや老いが進行していてもはや死を免れない状況の方々であれば,笑って免疫機能を上げても意味がないのではないかというちょっと冷めた見方も出来るかもしれません.少しそのことを考えてみたいと思います.

世界保健機構(WHO)は,健康の定義を次のように変更しています.

1948年の定義「身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり,たんに病気あるいは虚弱でないことではない」

1999年に変更された定義「健康とは身体的・精神的・霊的・社会的に完全に良好な動的状態であり,たんに病気あるいは虚弱でないことではない」

大きな変更点の1つは霊的という言葉が挿入されたことです.ここで霊的と言われているのは,別に前世がどうのという話ではありません.霊的という概念として重視されている点は,心の平安,内的な強さ,人生の意味などであって,どのような状況にあっても抱き続けることの出来る人間としての内的な尊厳や前向きさとでも言えるものです.

病には治る場合と治らない場合がありますし,老いに関して言えば誰もがそれに逆らうことは出来ませんから,やがて死を迎えざるをえません.そんな状況でも笑いが重要だと考えるのは,笑いを引き出そうとするコミュニケーションが人間に対する愛に基づいているからです.このことが霊的な意味も含めた人間の健康に寄与しないはずがありません.したがって冷めた見方をしている場合ではないのです.

さて,少し話がそれたので本題に入ります.実は,緊急クラウン・ジャポンの村上純子さんともうお一人のクラウンの方(クラウンの訪問活動は通常2人一組で行われます)がこの秋に香川にいらして下さることになりました!イェイ!

直接的な目的は,私どもの実践型社会起業家論の授業における講師としてです(授業では,クラウンのワークショップもしていただきます.受講生はクラウンの赤い鼻をつけられます!).

そしてここからが香川の皆さんへのご協力依頼の内容なのですが,香川県内で緊急クラウン・ジャポンのお2人のクラウンから訪問を受けたい病院(特に小児病棟)や老人施設をご紹介頂きたいのです.出来れば緊急クラウン・ジャポンの定期的な訪問拠点となる場所が香川県内に誕生することを希望しています.もしご紹介いただける施設がありましたら八木までお知らせください.メールはこちらからどうぞ

ご紹介いただいた施設には,八木が緊急クラウンジャポンの資料と映像を携えてご説明にあがりたいと思います.その際は,日当等の条件についてもご相談をさせて頂きます.今回のクラウンのお二人の交通費は香川大学側が負担しますのでとてもリーズナブルな機会でもあります.なお今回の訪問は日程的に最大3施設程度となりますので,ご紹介いただいた施設全てに伺えるとは限りませんことを先にご了承下さい.

以上が「ご協力のお願い」でした.長文を最後までお読み頂きありがとうございました.

基本の大切さ

今日は朝8時集合で東京・上荻にあるウィンローダー様を取材させていただきました.

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同社は,1950年に現社長の祖父によって小口集配業としてスタートしました.現在では東京都下を主な事業エリアとし,トラック120台以上,倉庫面積8000坪以上を保有し,特に現社長が立ち上げたエコ物流エコランド事業,家電設置配送等によって注目を集める元気な企業です.

朝8時集合の企業調査は珍しいのですが,同社では毎朝掃除とユニークな朝礼が行われており,それを是非見学させて頂きたいと希望してこの時間からの訪問になりました.

今回の取材の主たる目的は,ファミリー企業であるウィンローダーの3代目高嶋民仁社長に後継者から経営者へと成長される過程での様々なご経験をお聞きし,事業承継のあり方の一事例を学ばせて頂くことでしたが,それ以外のことでも多くのことを学ばせて頂きました.この取材記では,それ以外の部分の中から少しご紹介したいと思います.

まず朝8時に同社に伺うと,いきなり「おぉ!?」

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なんとウェルカムボードが!

ボードがあるにも関わらず入り口でまごまごしていると,社員の方が私を見つけてくださって「香川大学の八木様ですね.お待ちしておりました」と明るく声をかけてくれます.

訪問のことが事前にしっかりと社員の方々に共有されていることに感心すると同時に,明るく歓迎して頂いて素直にうれしくなりました.

そして早速,お掃除に参加.

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タバコの吸い殻が多かったです.

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会社も会社周辺も皆さんピカピカにしていました.私も近所の方に「ありがとうございます」と言われて,思わず「いえいえ」とかわけのわからない返事をしたりしました.私だけ普段馴れないことをしている感じがかなりありました.

掃除が終わると朝礼です.ウィンローダーでは元気朝礼と呼ばれています.

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朝礼で挨拶をされる高嶋民仁社長.

全員大きな声を出しての挨拶や「ハイ訓練」,経営理念や標語の唱和,周囲の皆さんとの握手,今日の仕事の予定の共有などがテキパキと進められ,私も一緒に参加させて頂きました.ハイ訓練では私の声が一番小さく,進行の方にダメ出しをされたりして,これも思いっきり普段馴れないことをしている感じがありありでした.

私自身馴れていない部分があったとはいえ,こういう朝礼は本当に大切であり,学ぶことが多いものだと思いました.例えば挨拶に関して言えば,挨拶はコミュニケーションの基本と言われますが,意外にも出来ていない人が多いものです(もちろん自らの反省も込めながら書いています).特に朝,仲間(社員)同士の明るい挨拶は一日をはじめる上で前向きな気持ちを引き出してくれます.きちんと相手の目を見て,明るい声が飛び交うウィンローダーの皆さんの挨拶は実際にとても清々しいものでした.私はこの朝礼に参加させて頂いて,朝から「元気をもらったなぁ」と素直に思いました.さすが元気朝礼と言うだけの内容がありました.

振り返ってみると私の職場である大学は自由な場であるとよく言われます.言論や個性の表し方において積極的に自由を尊重しようとする点は間違いなく素晴らしいのですが,必ずしもそれが十分には活かされていない面があるかもしれません.香川大学だけではなく,仕事柄多くの大学に立ち寄りますが,どこも挨拶が元気に飛び交う場とは言い難い感じがします.大学人は,自由であることの価値を活かし,それぞれがより活発に言論や個性を発する為に,コミュニケーションの基本である挨拶をもっとしっかりと出来るように学ぶ必要があるのかもしれません.コミュニケ—ションの質が低い場では,言論や個性の表出は衝突や不理解を生みやすくなり,創造的なコラボレーションの機会を減らし,ストレスを引き起こすように思えます.

今日の元気朝礼を見せて頂いて,自分の職場を振り返った時,特に教職員と学生の間で十分かつきちんとした挨拶が交わされていないように思われたのは残念でしたし,今後の課題であると感じました.挨拶は社会に出てから学ぶものというのは,やはり本来的ではないですね.挨拶の訓練や大きな声でのハイ訓練をするということは,百聞は一見にしかずで,別にやらされ感もなかったですし,自由を否定する全体主義的な感じや個人の個性や自発性を奪うようなものでもないと感じました.実際,ウィンローダーの社風は社員それぞれが闊達に意見をしあえる自由な感じでした.挨拶だけがそのような社風を作り上げた要因とは思いませんが,コミュニケーションの基本がしっかりと出来ていることが,コミュニケーションを活発化する上で重要な基盤としての役割を果たしているように感じられました.

朝礼の後,社員の皆さんの机の引き出しの中身を見せて頂いたのですが,ここでは5Sが徹底されていました.

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トイレに入るとなんと石鹸の位置まできちんとしています.

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基本がしっかりした会社という印象を次々と受けました.社員の方のご説明では,サラリーマンは一人当たり一日平均で文房具等の物やファイルなどの情報を探すのに約7分かけているそうです.職業柄どういう調査方法でそのことを調べたのか気になりましたが,そうだとすればとてももったいないことです.

色々なことに感心した後,高嶋社長と社員の方へのインタビューを終え,建物の外に出ようとすると,

再び「おぉっ!!」

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本当にすごい会社だなと思いました.

ウィンローダーの皆様,お忙しいところお時間を割いて多くのことを学ばせて頂き,本当にありがとうございました!!!

扉をたたく人

恵比寿,吉祥寺,横浜などで順次公開が始まっている映画「太鼓をたたく人」.

ではなくて「扉をたたく人」.

まだ見ていませんが,面白そうです.

ドラムサークル仲間の皆さんをはじめ,すでにいろいろな感想がアップされているとのこと.

The Visitor

高松でも公開されますように.

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日経トップリーダー7月号 修羅場の後継学

日経トップリーダー7月号に記事「修羅場の後継学」を寄稿しました.

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事業承継後に社内の変革を手掛けた経営者の方が,ベテラン社員と若手社員の間に対立を引き起こし,それを解決するにあたって内省型リーダーシップを発揮された事例です.

ご興味のある方,是非お読みください.

ご感想やご質問はいつでも歓迎です.

こちらのフォームからお送りください.

これまでに頂いたご感想やご質問には既にお返事をさせていただいております.

いずれも大変参考になり,励みになりました.

ありがとうございました.

先見経済7月号 同族企業の事業承継方法

先見経済7月号に特集記事として「同族企業の事業承継方法 経営のバトンはどのように受け継がれるべきか」を寄稿しました.

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記事中の見出しは次の通りです.

1.国内法人の大多数は同族企業が占める

2.同族企業のプラスの特徴は長期展望と大胆な改革

3.事業承継の壁—後継者の育成方法とは—

4.リーダーシップに悩む後継者

5.後継者の成長をサポートする

6.後継者育成方法をどのように選択するか

7.育成のための修羅場経験とは

8.自ら成長するための手段としての「内省」

9.内省と対話を通じて経営のバトンを渡す



現在,日本では多くの企業が事業承継という課題に直面しており,その事業承継の多くは親から子へとなされています.そこには親子の関係からビジネスへの関係へと関係の幅を広げるという難しい課題が含まれています.親だからこそ子である次期経営者を育成することが難しい側面があることを,これまで私は多くの経営者の方からお聞きしてきました.そのような側面に対する効果的な対応方法も含めて,比較的幅広く同族企業の事業承継というテーマで書かせて頂きました.

是非,ご興味のある方はお読み頂ければと思います.

ご感想やご質問はいつでも歓迎です.

今後の研究の励みと参考にさせて頂きます.

こちらのフォームからお寄せください.

頂いたメールには必ずお返事をさせていただきます.

生と死、獲得と喪失

今年の4月から週1回、関西学院大学社会学部の聴講生をしています。聴講している科目は藤井美和先生の死生学です。

死生学藤井先生との出会いについては以前ブログでも書かせて頂いたのですが、私自身が死生学に強い関心を持っている理由の一つは、現在のビジネススクールの教育科目には偏りがあると思ってきたからです。

ビジネススクールでは、競争戦略論をはじめ、「戦い」をイメージさせる科目が数多くあります。ビジネスにおける戦いの目的は、投資に対する経済的な利潤を最大化して獲得することであり、戦いを教えるということの中身は「獲得」のノウハウを教えるということです。つまり獲得ノウハウの教育の場がビジネススクールであるとも言えます。

しかし、人間を個人のレベルで見ると獲得というコンセプトがカバーできる範囲には限界があります。それは誰しもいつ死ぬかわからないからです。誰もが死に向かって生きており、我々は皆死にゆく人だと言うことが出来ます。そして、死にゆく過程とは獲得だけではなく、多くのことを喪失してゆく過程であると言えます。実際に身体的な制約から出来なくなることが沢山でてきます。人と会うことや趣味であっても断念せざるをえなくなっていきます。

ビジネススクールは別に人生を教える学校ではないのだから獲得だけを教えても問題ないという考えもあるかもしれませんが、やはり獲得だけを教えることには偏りがあるのは事実です。獲得だけを目的として飽くなき競争をすることが今日の世界的な景気後退を生み出してきた一因であることや、ワークライフバランスの問題を生み出してきた一因であることは否定することが出来ません。

経済的な目的とそれ以外の目的は関連しあっており、時に金銭は他のより重要な目的を達成するための不可欠な手段になるなのだから、まずはお金がないとはじまらないだろうという指摘も当然ありますが、経済的な利得を獲得するために働きすぎてストレスで病気になったり、家族の関係が悪化したり、生き甲斐を喪失してしまったりといった問題が後を絶たない現実に対して答えにはなっていません。

藤井先生は死も含めて生を考えることの大切さを授業の中で何度もおっしゃっていました。そしてそれは喪失も含めて獲得を考えるということの大切さでもあると思います。私たちの様々な目的にはそれぞれ異なる重みがありますが、私たちはその重みの相対性について無自覚であることが多いように思います。そしてその原因は、死や喪失について考えることをタブーとし、考慮の対象外としている社会的な風潮とも関係があるのではないかと思います。戦略論では、限られた資源を有効に使う為に目的にも優先順位をつけるようにと教えますが、死や喪失も含めて目的の再検討をすることが重要ではないかと思います。

「人間として死や喪失の過程を学ぶこと」、「獲得と喪失を一体のものとして捉えながら仕事の目的を考察すること」これらのことを教育の中に組み込んでいくことがこれからのビジネススクールにとって大きな課題であると思います。

鶴岡出張

先週,東北公益文科大学大学院の石田英夫先生のお招きで山形県鶴岡市に出張してきました.

今回の出張目的は2つの会社を取材させて頂くことでした.

1社目は伊藤鉄工株式会社様,2社目は湯の浜温泉の亀や様です.

1社目の伊藤鉄工さんは,なんと創業800年を超える企業です.ある調査によれば日本で4番目に古い営利組織ということになります.

それほどの長い期間,ファミリーを中心として経営を続けることが出来た理由は一体何だったのか,家族や親族の方々との関係性,技術や経営,地域や顧客との関係性,環境変化への対応など,色々とお聞きしました.

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文治5年(1189年)創業

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経営者の伊藤さん親子,石田先生と一緒に記念撮影.



2社目の亀やさんもファミリーを中心に経営を続けられてきた100年以上の歴史を持つ企業であり,名門旅館です.

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明治6年(1873年)創業 風格を感じさせる亀やさんの看板



大変興味深かった点は,社長の阿部さんが,先代経営者であるお父さんと一緒に経営者としてこれまで自分達が果たしてこられた経験と役割を振り返り,それまで当たり前であった業界の常識や経営者であるからこそ見えにくかったことを発見・反省し,その後の経営の基礎となるお考えなどをまとめられたことでした.

ファミリー企業の場合,ファミリー・メンバーの方々は一般の社員の方とは異なるキャリア・パスを歩むことが少なくありませんし,ファミリー企業の長い伝統や文化に幼少の頃から触れていることが少なくありません.もちろん,そのこと自体は決して良いとか悪いとかの問題ではありません.重要な点は,ファミリーにはファミリーという条件ゆえに見えていることや,時に見えにくくなっていることがあるということです(逆に一般の社員の方には見えにくいこともあります).阿部社長の場合,親子の対話を通じてそうした点に数多く気づかれていかれていったという点で私にとって大変興味深いケースでした.

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亀やさんの立派な庭園でも記念撮影.左から石田先生,阿部社長,八木.



なお,当日は足を伸ばせませんでしたが阿部社長が手掛けられた湯田川温泉 湯どの庵と東京・赤坂の阿部も大変好評だそうです.

取材にご協力いただいた伊藤様,そして阿部様,誠にありがとうございました!

大変勉強になりました.





さて,取材が終わって,湯野浜温泉の温泉街を石田先生とプラプラ歩いていると・・・

「八木君,おいしそうな匂いがするねぇ」

「あ,石田先生,あそこの魚屋さん魚焼いてます!」

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「食べてく?」(お店の方)

「も,もちろんです!ビールあります?」(石田先生+八木)



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そんなわけで最高の焼き鯖にもありつきました.

鶴岡最高!

日経トップリーダー6月号 修羅場の後継学

本日,日経トップリーダーの6月号が発売になりました.

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今月号でもこれまで私が行ってきた調査の結果を基に「修羅場の後継学」という記事を提供しています.

内容は後継経営者の方々が経験する修羅場と呼ばれる困難な経験やその意味についてです.

記事では紙幅の関係上十分に述べていませんが,私の研究では,修羅場自体は必ずしも人を成長させるとは限らないけれども,そのような状況が自ら自身の内省を深めるまたとない機会となることが明らかになっています.大規模な調査を行った結果,内省によって自己理解と他者理解を深め,自己変革ができるならばリーダーとしての有効性も大きく向上することを明らかにすることが出来ました.

お読みになられた方,ご感想やご意見などお寄せ頂ければ幸いです.

メールはこちらのフォームからどうぞ.

既にご感想を頂いた方には個別にお返事をさせて頂きました.

ありがとうございました.

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